太陽光エネルギーに関する国際会議を開催 文部科学省の事業に採択されたプロジェクトの成果を報告
2017.08.23
- 大学院
- 理工
「太陽光利用促進のためのエネルギーベストミックス研究拠点の形成」の概要
【本件のポイント】
●国内外の研究者を招いて、太陽光エネルギーについての国際会議を開催
●教員、大学院生および学生が、最新の太陽光エネルギーに関する研究成果を報告
●大学院生は研究成果を英語で発表し、プレゼンテーション能力を身に付ける
【本件の概要】
「太陽光利用促進のためのエネルギーベストミックス研究拠点の形成」は、総事業費約3億6,400万円の大事業です。プロジェクトリーダーの理工学部長 藤原 尚(ふじはら ひさし)を中心に、多くの教職員、大学院生および学生が、「光物質変換」「光エネルギー変換」「省電力素材」の3つの研究テーマに取り組んでいます。
今回は国際会議として、中国の中国科学院、アメリカのカリフォルニア大学サンタバーバラ校、国内の広島大学など、太陽光エネルギーに関する最先端の研究を行っている研究機関から研究者7人を招き、光触媒や有機太陽電池など、太陽光エネルギーに関する特別講演を行うほか、本学の教員、大学院生および学生が、本プロジェクトに関連する最新の研究成果報告を行います。参加する大学院生のうち8人は、研究成果を英語で発表することで、国際的な学術発表の場で通用するプレゼンテーション能力を身に付けます。
■日 時:平成29年(2017年)8月30日(水)、31日(木)(2日間)
■会 場:近畿大学東大阪キャンパス11月ホール 小ホールおよび1階ロビー
(大阪府東大阪市小若江3-4-1、近鉄大阪線「長瀬駅」から徒歩10分)
■参加者:国内外の研究者7人、本学教員17人、大学院生102人、学生23人
【招待講演者】
基調講演 広島大学 井上克也 教授
中国科学院 Gang Liu 教授
カリフォルニア大学サンタバーバラ校 Thuc-Quyen Nguyen 教授
招待講演 京都大学 寺村謙太郎 准教授
九州大学 楊井伸浩 准教授
先進講演 北九州市立大学 藤井克司 教授
東京工業大学 前田和彦 准教授
【「太陽光利用促進のためのエネルギーベストミックス研究拠点の形成」の概要】
■研究内容
太陽光エネルギーを利用して水素ガスやメタノールといった1次エネルギー物質を生成する際に必要不可欠とされるソーラー触媒の開発や人工光合成における化学的機能の開拓(研究テーマ1)を推進します。同時に、ウェアラブル端末などに広く利用可能な薄膜太陽電池における光電変換効率の高効率化(研究テーマ2)、さらには、光磁気機能を駆使した省エネルギー記憶媒体に関わる基盤的物質の創成(研究テーマ3)を目指します。
■プロジェクトの波及効果
東京電力福島第1原子力発電所の事故以降、わが国のエネルギー政策は歴史的な転換期にあり、利用可能なエネルギー資源の特徴を生かしつつ各々を効果的に運用していくための施策を必要としています。その際、立ち遅れの目立つ太陽光エネルギー利用についても可能性をポジティブに評価したうえで有効に活用していく必要があります。太陽光エネルギー利用の可能性を最大限に引き出すための基盤的研究を推進します。
■プロジェクトの将来と人材育成
総合理工学研究科・理工学部の教員16人の参画を得て発足した本研究プロジェクトは将来的に近畿大学における原子力、火力、太陽光研究をゆるやかに束ねる総合エネルギー研究開発拠点として社会基盤の整備等に関して科学的見地から発信力を強化していくことを目指します。また、活動を通じて優れた人材の育成に力を尽くします。
【関連リンク】
理工学部応用化学科 教授 藤原 尚(フジハラ ヒサシ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/335-fujihara-hisashi.html