アグリビジネスマイスターが新たに誕生 産官学が連携した実践的なプログラムで人材を育成 近畿大学農学部
2016.04.19
関連実習の様子(金時いもの収穫)
※アグリビジネスに求められる一連の知識・技術を習得した人材
【本件のポイント】
●農作物の生産から加工・販売までの過程を実践的に学べるプログラムで、アグリビジネスのプロを養成
●地域の企業・自治体と連携した実習により、日本酒や金時いもジェラートを商品化
●学生がアグリビジネスの構想能力や地域産業とのコーディネート能力を修得
【本件の概要】
近畿大学農学部農業生産科学科では、平成23年(2011年)4月に「アグリビジネスマイスター」認定制度を開設しました。農作物の生産から加工・販売までの過程について、現場での作業を通して実践的に学べるプログラムを実施し、アグリビジネスの現場で活躍する人材を育成しています。地域の企業や自治体と連携した実習を導入しており、これまでに、学生が生産した農作物を原材料に使用した日本酒「平群(へぐり)」シリーズや金時いもジェラート「へぐりっこ」を商品化しました。
今回は、所定の単位を取得した4年生10人を第3期目のアグリビジネスマイスターとして認定し、農学部長・重岡 成(しげおか しげる)より認定書を授与します。今回認定される4年生は、「へぐりっこ」の原材料である金時いもの生産や加工、カップのデザイン、商品のPR・販売促進にも携わっています。
■日 時:平成28年(2016年)4月26日(火)10:40~11:10
■会 場:近畿大学奈良キャンパス212教室(奈良県奈良市中町3327-204)
■出席者:近畿大学農学部長 重岡 成(しげおか しげる) 、
アグリビジネスマイスター認定対象者4年生10人、農業生産科学科教員
【アグリビジネスマイスター認定制度】
時代の流れとともに、アグリビジネスの形態も大きく変わってきました。作物を作って終わりではなく、「いかに売れるものを作っていくか、付加価値を高めていくか」という発想の転換が、農業にも求められてきています。そのような社会のニーズに応える人材の育成を目的に、近畿大学農学部農業生産科学科では、「アグリビジネスマイスター」認定制度を平成23年(2011年)4月に開設しました。平成26年(2014年)に28人、平成27年(2015年)に18人を認定し、平成28年(2016年)は10人を新たに認定します。認定された学生には、植物学の知識とともに、農産物の生産から加工、販売までをトータルに学習を修めた証として、アグリビジネスマイスターの称号が与えられます。
特徴的なカリキュラムとしては、「アグリビジネス実習」、「アグリビジネス起業論」、「農業実習」などが挙げられます。農業の6次産業化※の先進事例について学ぶことを目的に農業法人での実習も実施しています。現場に足を運び、実際の事業を肌で感じることで、ビジネスモデルの構想能力や地域産業とのコーディネート能力を磨きます。
アグリビジネスマイスターに認定された卒業生は、自ら就農するほか、農協や農機具メーカー、食品会社などに就職し、アグリビジネスに貢献しています。
※農業などの1次産業が生産だけでなく、農産物の加工や流通・販売なども手がけること
【アグリビジネス実習の取り組みについて】
アグリビジネスマイスター認定取得のための必修科目となっている「アグリビジネス実習」では、奈良県平群(へぐり)町の耕作放棄地を再生した圃場を中心に、農産物の生産から加工、販売までをトータルに学びます。学生たちが自らの生産計画に基づき栽培・収穫した野菜などの農産物は、平群町の道の駅「大和路へぐり くまがしステーション」にて定期的に販売しています。
また、アグリビジネス実習を通じた産官学連携により、平成26年(2014年)11月に、奈良県平群町および八木酒造(株)と共同で日本酒「平群」シリーズ(「純米大吟醸 平群」、「純米酒 平群」)を商品化。平成27年(2015年)11月には、奈良県平群町および(株)テンダーボックスと共同で、金時いもジェラート「へぐりっこ」を商品化しました。学生たちは原材料となる農産物の生産に加え、商品のデザインやPR・販売促進などに関わっています。
【関連リンク】
農学部 バイオサイエンス学科 教授 重岡 成
http://www.kindai.ac.jp/meikan/325-shigeoka-shigeru.html