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熊野の古民家を再生~空き家改修プロジェクト~ 4/3(日)"コウノイエ"内覧会&展覧会を開催 近畿大学建築学部

2016.03.29

  • 建築

学生によるキッチン施工の様子

近畿大学建築学部(大阪府東大阪市)では、講師の佐野こずえ、住宅計画研究室の学生(4年生2人、3年生13人)、非常勤講師で建築家の多田正治らのグループが、三重県熊野市神川町神上(こうのうえ)の空き家を改修する「"コウノイエ"プロジェクト」を進行中です。平成28年(2016年)4月3日(日)に神川町で開催される「桜まつり2016」に合わせて、"コウノイエ"「内×展」と題して、リノベーションにより生まれ変わった古民家の内覧会と、プロジェクトの経緯と展望を紹介する展覧会を開催します。

【本件のポイント】
● 空き家となった古民家のリノベーションによって、近大の学生らが地域創生に貢献
● 熊野産の木材、第一線を退いた高齢の職人さんなど、地域のポテンシャルを引き出す
● 学生が空き家の再生を設計し、フィールドワークによって実践的に建築を学ぶ

【本件の概要】
"コウノイエ"は「神上にある家」を意味する造語で、桜まつりが行われる旧神上中学校を臨み、旧街道沿いに建つ古民家です。

地域行事である桜まつりは今年で29回目を迎えますが、人口が減少した集落では開催が負担となりつつありました。そこで空き家となっている古民家を改修して、まつりなどを手伝うボランティアの宿泊や食事の場所を造り、神上町に人を呼ぶためのプロジェクトが始動。近畿大学建築学部の学生は、DIY(セルフビルド)をしながら構造を理解して木の特性を体で学びました。熊野産の木材を専門に扱う野地木材工業株式会社、高齢のためリタイアした建具職人、様々な道具を貸してくださった地域有志など、地元の方々とのコミュニケーションを通してプロジェクトは発展を続け、今後は京都のアーティストが襖絵の作成をする予定です。

【イベント概要】
■日  時:平成28年(2016年)4月3日(日)10:00~15:00
■会  場:内覧会 … "コウノイエ"(三重県熊野市神川町神上938)
      展覧会 … 旧神上中学校(三重県熊野市神川町神上198)
■対  象:一般の方入場可能(定員なし、入場無料、申込不要)
■お問合せ:熊野神川桜まつり実行委員会 TEL(0597)82-0001

【本件の背景】
神川町は三重県熊野市の山間部に位置します。かつては林業やダム開発で賑わいましたたが、現在は人口300人ほどの集落です。

地方は人口が減少することにより、仕事が減り、商業が衰退し、交通が不便になり、さらに人口が減少していきます。そのため少しずつ地方は疲弊していき、新しい試みを行う余裕がなくなってしまいます。しかし、都市と地方が人的交流を行い、お互いに刺激しあうことによって、新たな取り組みが生まれると考えられます。

人的交流が行われるためには、その地域にある程度の期間滞在し、コミュニケーションをとることが必要です。しかし、多くの地方は滞在できる場所がなく、交流の拠点となる場所が求められています。

そこで、近畿大学建築学部において、神川町の古民家を拠点として活用するプロジェクトが企画されました。熊野産の木材にこだわった製材所や高齢によりリタイアした職人さんなどの協力を得て、学生が古民家をDIYし、その内覧会と展覧会を行うことにより、この取り組みを多くの方に知っていただきたいと考えています。

建築学部 建築学科 講師 佐野 こずえ
http://www.kindai.ac.jp/meikan/1145-sano-kozue.html

関連URL:http://www.kindai.ac.jp/architecture/