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最新鋭の機能を備えた「ハイブリッド手術室」を導入 近畿大学医学部附属病院

2016.03.14

  • 近大病院

6月より稼働予定のハイブリッド手術室(画像イメージ) 提供:マッケ・ジャパン株式会社

近畿大学医学部附属病院(大阪府大阪狭山市)では、最新鋭のハイブリッド手術室を導入し、平成28年(2016年)6月より稼働を開始します。ハイブリッド手術室では、血管撮影やX線透視などこれまで手術室とは別室で行っていた施術を、同室で同時に行うことができ、特に心臓血管外科・脳外科・整形外科の手術において活用する予定です。

【本件のポイント】
●画像処理など最新鋭の機能を備えた、「ハイブリッド手術室」を導入
●一連の手術・検査をひとつの手術室で行うことで、より安全で負担の軽い施術が実現
●高度医療を担う特定機能病院として、河内地域の健康促進・医療向上へ貢献

【本件の概要】
従来の手術では、血管撮影やX線透視を行う治療はカテーテル検査室や放射線透視室で行い、実際の施術は手術室で行うというように別々の部屋で行われており、術前に患者さんが病院内を移動しないといけないなど、一定の負担がありました。

今回、近畿大学医学部附属病院が導入するハイブリッド手術室では、ひとつの手術室で撮影・施術の両方を行うことができます。また、3D機能や画像融合機能を搭載しているため、飛躍的に高度で精密な手術が可能となります。これにより、手術時間の短縮や出血量の減少、入院期間の短縮など、患者さんの体に負担が少ない治療が行えるようになります。

ハイブリッド手術室は様々な分野の医療に利用できますが、特に高度な技術と精密な画像などを必要とする、心臓血管外科・脳外科・整形外科の手術において活用する予定です。

【ハイブリッド手術室概要】
導入機種:Artis zeego(多軸駆動アーム搭載血管撮影システム)
機種の特徴:
次世代3Dプラットフォームおよび手術台傾斜自動追従装置(Flexible Isocenter System:FIS)を搭載。さらに複数の画像を融合する機能を有しており、高画質な臓器の透視や画像解析をリアルタイムで確認しながらより高度で精密な手術を行うことができます。
手術室面積:71.8m2

【今後の展開について】
当院で導入するハイブリッド手術室では、心臓外科・循環器内科が担当する心臓血管外科手術およびカテーテルによる血管内治療の融合、または最新システムを使った脳外科・整形外科の手術を中心に、高度な治療を行うことができます。また大学病院の役割として、治療に加えて若手外科医や研修医の先生が高度な技術を習得できるよう、教育・育成の一環としての活用も予定しており、各種シミュレーターを完備し、手術者が効率的に学べるようにサポートします。

1)心臓外科・循環器内科での治療:
大動脈瘤、大動脈解離や末梢血管疾患に対応する血管内治療には、カテーテルによる血管内治療の能力が飛躍的に高まるだけでなく、現在実用化されつつある、カテーテルによる大動脈弁膜症に対する手術が行えるようになります。心臓だけではなく、身体の機能低下により今まで治療が受けられなかった高齢患者さんに対してもカテーテルを用いた治療が可能になります。

2)脳神経外科での治療:
高度な技術が必要とされる脳外科では、最新のシステムを用いて、通常の開頭手術と、従来は別の部屋で行われていた血管撮影や血管内手術を統合して行うことが可能となります。高い精度が要求される脳動脈瘤のほか、より安全で摘出度が高く、身体への負担が少ない手術が可能になります。

3)整形外科での治療:
3次元の画像を撮影できるため、頸椎の再形成など難易度の高い手術をより安全に迅速に行う事が可能となります。

関連URL:http://www.med.kindai.ac.jp/huzoku/