そば殻を活用したバイオコークスの実用化の取組について 近畿大学バイオコークス研究所
2015.06.08
- 研究所
近畿大学×新潟県十日町市
1.実施企業等
(株)小嶋屋総本店、十日町福祉会ワークセンターかわにし
2.実施内容
そば殻を原材料にしたバイオコークスの実用化
・十日町市の株式会社 小嶋屋総本店が、年間約40トン発生するそば殻から固形燃料「バイオコークス」を生産し、石炭コークスや薪に替わる固形燃料として販売
・バイオコークス製造工程においては、社会福祉法人十日町福祉会が運営する障がい者就労支援施設「なごみの家」に所属する障がい者が作業を行うことにより地元の障がい者に施設外就労の機会を提供
・バイオコークスの用途として、株式会社エヌプラスが行う養殖ふぐ事業の温水用ボイラー(1基)の燃料として使用
・一日当たりの生産規模は、100~200kg(8時間運転)
3.取組の目的
・産業廃棄物の燃料としての革新的再生
・福祉団体の営業機会の創出による社会貢献
4.関係機関、団体等
開発協力:近畿大学バイオコークス研究所(特許権利者、技術支援)
〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1
TEL(06)6721-2332(内線5135)
http://www.kindai.ac.jp/bio-coke/
製造協力:(株)ナニワ炉機研究所(大阪府東大阪市)(特許権譲渡先)
〒579-8037 大阪府東大阪市新町12-34
TEL(072)986-2578
http://www.naniwaroki.co.jp/
設備・製造場提供、販売:(株)小嶋屋総本店工場
〒948-0135 十日町市中屋敷758-1
TEL(025)768-3311
http://www.kojimaya.co.jp/
生産、販売代行:十日町福祉会ワークセンターかわにし
〒948-0134 十日町市上新井68-1
TEL(025)761-7910
5.活用補助金
「ものづくり・商業・サービス革新補助金」(中小企業庁)
6.バイオコークスについて(特許第4088933号)
バイオコークスは、近畿大学バイオコークス研究所所長(近畿大学理工学部機
械工学科教授)井田民男が平成17年(2005年)に石炭コークスの代替燃料として開発した新しい木質バイオマス固形燃料です。木くずや茶かすなどのあらゆる植物性廃棄物から製造可能で、植物由来の原料を使用するため、利用時のCO2排出量はゼロカウント(カーボンフリー)とされ、環境負荷を低減する新しいエネルギーとして期待されています。すでに国内で商用プラントが稼動し、鋳物用コークスの代替燃料として使用されています。また、「バイオコークスによる放射能汚染物質の減容化技術」は環境省から除染技術の一つとして認定されています。
【これまでの実績】
・平成20年(2008年)4~7月、(株)豊田自動織機の東知多工場(愛知県)で、自動車エンジン部品を製造するキュポラ炉での実証試験を行い、バイオコークスが石炭コークスの11.4%を代替(製品製造工程への影響なし)することを確認。
・平成22年(2010年)4月、(株)ナニワ炉機研究所と共同で、24時間で約1トンの製造能力を持つ実用タイプのバイオコークス製造装置を開発。
・平成23年(2011年)4月、大阪府森林組合が世界初のバイオコークス商用製造プラントを大阪府高槻市に建設。間伐材などを燃料化して販売。現在も稼働中。
・平成23年(2011年)9月、近畿大学とJFEエンジニアリング(株)、(株)ナニワ炉機研究所、日本砿研(株)が共同実証試験。廃棄物高温ガス化直接溶融炉で石炭コークス56.5%代替に成功。
・北海道経済産業局の平成22年(2010年)度補正予算「地域イノベーション創出研究開発事業」の支援を受け、平成24年(2012年)に連続でバイオコークス生成を可能にすることで生産能力を従来機の約4倍に高めた新型連続製造機の開発に成功。
・平成24年(2012年)1月、バイオコークスは平成23年度新エネ大賞の資源エネルギー庁長官賞を受賞。
・平成24年(2012年)12月、近畿大学、(株)豊田自動織機、(株)ナニワ炉機研究所、大阪府森林組合が平成24年度地球温暖化防止活動環境大臣賞を共同受賞。
・平成26年(2014年)3月、近畿大学と大阪ガスエンジニアリング(株)が共同で、パーム椰子(やし)原料「バイオコークス」の海外における生産実証の導入試験開始を発表。独立行政法人科学技術振興機構(JST)が実施する「産学共同実用化開発事業」として採択。
・平成26年(2014年)10月、近畿大学と中外炉工業(株)が、「バイオコークス化による放射性物質に汚染された有機物の減容・安定化の実証と減容化による輸送効率の向上と安全性及び経済性の検証」を実施。環境省「平成26年度除染技術実証事業」に採択。