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6/6(土)、7(日)学生らが修繕!「豊栄の民家」の見学会を実施! 近畿大学工学部

2015.05.20

「豊栄の民家」葺き替えの様子

近畿大学工学部(東広島市)建築学科准教授 市川 尚紀と環境設計研究室の学生5人が、平成27年(2015年)6月6日(土)、7日(日)に、東広島市で開催される、第6回茅葺きフォーラム「藝州茅葺き(げいしゅうかやぶき)の技と風景」に参加し、学生らが6年間取り組んできた「古民家再生プロジェクト」の成果である「豊栄(とよさか)の民家(みんか)」の見学会を行います。市川は、セッションにも話し手として参加します。

【本件のポイント】
● 6年間実施した「古民家再生プロジェクト」の集大成「豊栄の民家」を発表
● 学生が日本の伝統文化を正しく理解し、今後の学びに生かす知識を獲得
● 教育と地域再生がクロスオーバーする地域貢献型産学連携プロジェクト

【本件の概要】
近畿大学工学部建築学科 准教授 市川 尚紀の環境設計研究室では、平成21年度(2009年度)から、地域に残る貴重な茅葺き民家の再生と「藝州流」の技術継承を目的として、学生とともに「古民家再生プロジェクト」に取り組んできました。学生たちはこれまで、NPO法人西中国茅葺き民家保存研究会のご協力の下、今回のフォーラムのセッションにも参加される藝州流茅葺き職人の石井 元春様や沖本 太一様のご指導を受け、茅の刈り取りや屋根の葺き替え作業や内装の改修、インテリアの制作を行ってきました。

今回初めて参加する、第6回茅葺きフォーラム「藝州茅葺きの技と風景」では、6年間の「古民家再生プロジェクト」によって大幅な変貌を遂げた「豊栄の民家」を公開します。

■日  時:平成27年(2015年)
      6月6日(土) フォーラム 13:30~18:00(市川のセッションは14:45~16:15)
      6月7日(日) 見学会 9:00~15:30(「豊栄の民家」展示は13:30~14:30)
      プログラムの詳細はこちら→(http://www.kayabun.or.jp/20150606.pdf
■会  場:6日 東広島市市民文化センターアザレアホール(東広島市西条西本町28-6)
      7日「豊栄の民家」(東広島市豊栄町能良1423)他
■対  象:一般の方参加可(定員 フォーラム:260人、見学会:80人)
■入場料金:フォーラム:一般・学生入場無料 ※資料の必要な方は別途2,000円必要
      見学会:半日コース3,000円、1日コース4,000円(昼食代を含みます)
■申込方法:申込書をFAXにて送付、またはメールで下記の問い合わせ先にお申込みください。
      ※申込書は下記の日本茅葺き文化協会のHPからご覧ください
■お問い合せ:一般社団法人日本茅葺き文化協会事務局
       TEL:(029)867-5829 FAX:(029)867-1083
       Mail:info@kayabun.or.jp ホームページ:http://www.kayabun.or.jp


【「古民家再生プロジェクト」について】
近畿大学工学部のある広島県東広島市は、多くの茅葺き古民家が残っている全国的にも希少な地域です。しかし、伝統の茅葺き屋根の価値があまり認識されず、茅葺きの民家は消滅の一途を辿り、現在残されている民家も、茅が腐り、周囲には雑草が生い茂り、空き家になっているものが多いのが現状です。また、地域独自の屋根の葺き方である「藝州流」の後継者不足も問題となっています。

そこで、地域に残る茅葺き古民家の再生、茅葺き技術の継承を目的に、市川が「古民家再生プロジェクト」と称し、平成21年度(2009年度)から、学生、NPO法人西中国茅葺き民家保存研究会、茅葺き職人、地域住民の方々と共に茅葺き民家を整備・修繕する活動を始めました。

今後も、茅葺きの歴史、文化、技術を正しく理解し、茅葺きの優れた特性と、茅葺き民家や景観などの地域文化を存続する上での現代社会における課題を明らかにするなど、茅葺きの文化・技術の継承と振興を図るための事業に取り組んでいく予定です。

【「豊栄の民家」について】
古民家再生プロジェクトの一環として、平成24年(2012年)から広島県東広島市豊栄町にある茅葺き古民家の修繕に取り組んでいます。元は農業体験などの塾の合宿所等として使われていましたが、空き家になって10年以上経過し、室内外共に損傷が激しかったところを、家主の方のご厚意で、教育の場としてお借りしています。

茅葺き屋根の修繕の他、学生の卒業制作として、内装の改修やインテリア作品の制作も行っています。「日本の伝統的工法の学習」や「個人の民家を修繕するボランティア活動」、あるいは「近隣・市民の方々との交流」など、学習と地域貢献を同時に行える産学連携の貴重な学びの場となっています。

【藝州流について】
藝州流と呼ばれる茅葺きの手法は、カマバリという独特な茅葺きの道具を用いて、屋根裏に人を配置せずに一人で葺き上げていく技術です。昭和初期には全国最大の茅葺き職人集団「藝州流」が存在したと言われており、藝州流の茅葺き屋根は、九州や京都に出稼ぎに行った職人達によって広められ、「安い・早い・雨漏りしない」として重宝されていました。しかし日本の発展とともに忘れられていき、現在では後継者が不足するなどの問題から、茅葺き文化・技術の継承と振興に取り組んでいます。

関連URL:http://www.hiro.kindai.ac.jp/index.html

屋根葺き替え

内装改修