遺伝子工学科 准教授 宮本圭が「日本学術振興会賞」を受賞

2020.12.18

  • 遺伝子

近畿大学生物理工学部 遺伝子工学科 准教授 宮本圭が、日本学術振興会賞を受賞しました!

日本学術振興会賞は、人文学、社会科学、自然科学にわたる全分野において、日本の学術研究の将来のリーダーと期待される若手研究者を対象としたもので、ノーベル賞受賞者も輩出しています。 創造性・独創性に富み、卓越した研究業績を上げ、世界をリードする研究者に成長すると期待される研究者に贈られるこの賞は大変名誉あるものです。

日本学術振興会

受賞概要

■内容
日本学術振興会賞

■タイトル
卵内初期化機構に関する研究

■受賞者
宮本 圭(みKeiMiyamoto.jpgやもと けい)
所属:近畿大学 生物理工学部 遺伝子工学科 准教授
学位:博士(農学)(京都大学)

■受賞研究内容

私は、受精卵やクローン胚が作り出される仕組みに興味を持ち、研究をはじめました。動物が発生するためには、精子核や細胞核が卵子内で発生初期の状態へと「初期化」される必要があります。卵子による核の初期化は動物の生命誕生の出発点となります。私は、独自の実験系を駆使して、核の初期化に関与する卵子内の因子を見つけ、成体の細胞が胚発生初期の状態へと戻る過程を分子レベルで明らかにしてきました。さらに、初期化機構を解明する過程で、アクチンタンパク質の核内での新機能を見つけ、核アクチンによる遺伝子発現制御という新たな研究領域の創出に貢献しました。今後は、初期化機構に関する基礎的な知見を応用して、新たな動物繁殖技術の確立を目指します。その一環として、クローン動物の大幅な作出効率の改善を達成しています。さらには、絶滅危惧動物種の細胞に初期化を誘導するなど、動物遺伝資源の保全につながる研究を推進します。