所長挨拶

持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)の
達成のために、農学分野の技術革新を通して地球上のさまざまな
食料・環境・生命・健康に関する問題の解決に貢献する

2015年9月の国連サミットで「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)が全会一致で採択され、17のゴールが2030年までの世界の達成目標となりました。目標1~17はそれぞれ、貧困、飢餓、保健、教育、ジェンダー、水・衛生、エネルギー、経済成長と雇用、インフラ・産業化・イノベーション、不平等、持続可能な都市、持続可能な生産と消費、気候変動、海洋資源、陸上資源、平和、実施手段といったキーワードで表されています。

アグリ技術革新研究所はこの国連が設定したSDGsに応える研究所です。具体的に本研究所が平成30年度より取り組む研究テーマは次の15課題です:持続可能な環境保全型完全養殖システムの構築、動植物融合型の食料・エネルギー生産システムの開発、未知なる海洋微生物を資源とした創薬シーズの探索、ユーグレナによるバイオ燃料生産技術の開発、森林資源および農業基盤の環境整備などに関わる地域連携を通じた調査・研究、光感応性をもつメロンうどんこ病菌の分生子放出・飛散機構の解明、動脈硬化・大動脈瘤をはじめとした血管疾患の予防・治療法の確立、医食農連携を基盤とした慢性腎臓病(CKD)の新たな食事・栄養療法の開発とその実践、植物-微生物間相互作用を利用した農業生産の向上、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの高齢出産によるリスク因子が出生児に及ぼす影響に関する研究、食因子とヒトとのリスク/ベネフィット-インターラクション、多重生態相互作用にもとづく昆虫制御物質の誕生と活性発現、農業・アグリビジネス部門における産官学連携の推進方策に関する研究とその実践、農福連携の推進:「農の入口」モデル事業の具現化。いずれもSDGsに関連しています。

農学がカバーする学問分野は多岐にわたっており、様々な分野で農学部の教員が研究活動を行っています。ただ、個々の研究活動はそれぞれの専門分野でそれなりに高く評価されていますが、農学部内で各専門分野間の連携が十分に行われているとは言い難いのが現状です。SDGsを目指す本研究所は、農学における分野横断的な研究情報の集約と連携を可能にする研究・教育のプラットフォームとしての機能も担います。この研究・教育プラットフォームとしての機能を活性化するため、本研究所では年間2回程度のシンポジウムや講演会を開催するほか、農学の各分野で活躍する人達を招いてミニ・シンポジウムを6回程度実施したいと考えています。これらはすべて一般公開する形で開催します。

本研究所での研究活動を通して、地域連携・産官学連携を活性化し、また最先端の研究を推進し、社会に貢献していきたいと考えております。

江口 充 所長

江口 充
MITSURU EGUCHI
近畿大学アグリ技術革新研究所 所長
近畿大学農学部水産学科・同大学院農学研究科水産学専攻・教授