学部長挨拶

私たちの学部は、現代社会を生きることの意味を改めて基本のところから考えてみる学部です。基本に立ち返りながら、社会生活の充実に寄与する方法を工夫していくことを学ぶ学部です。

具体的には、社会学や心理学を中心に勉強する専攻やコースがあり、社会に向けて情報発信するメディアや、社会を取り巻く環境や身近なまちづくりを学ぶ専攻やコースがあります。教員も学生も、専門分野を掘り下げて追求していくだけでなく、総合的な観点からの展望を常に見失わないようにしながら、日々自らの課題に取り組んでいます。

総合社会学部にこれから入学しようと考えている皆さん、学校の教室で授業を受けたりする中でふと気になった事柄や、日々の生活の中で感じる楽しさ、あるいは不安なこと、そして疑問に感じることなどを大切にしてください。それらは些細なこと、個人的なことのようでいて、実は社会に生きる多くの人が感じていることだったりするものです。総合社会学部では、かならずそれについて答えてくれたり、何かしらヒントになることを語ってくれたりする先生や先輩、そして同級生に出会えると思います。

高校までに学んできたことを活かす道は、必ずしも今までの延長線上にある勉強をすることではありません。大学に入学したらいったんはそれを忘れて、先ほど言ったように、日々の疑問や気づきを大切にして、講義や演習などの機会に、あるいは大学の内外の自由な活動の際などに、自らの興味や関心に沿って物事を考えてみることです。

そうすると、新たな知識や思考が自分の中に自然に流入してきます。今まで目を向けてこなかった様々なことに関心が向いてきます。また、従来それとは意識しないで学んできたことが、思わぬ助けになることに気がつくことがたびたびあるでしょう。そのような学びこそ、本当に身につくものですし、また、今後の皆さんに本当に役立つものになっていくことでしょう。

大学は、学生にとって、社会に出て行く準備をするところでもあります。総合社会学部で学ぶ人は、今述べたような学びができるという意味で、きわめて有利な位置にあるのではないかと考えています。

この文章を読んでくれた人に、できたらキャンパスでもお会いしたいと思っています。

鈴木 伸太郎 学部長

鈴木 伸太郎
SUZUKI SHINTARO
教授/学部長