総合理工研究科エレクトロニクス系工学専攻 田中 翔也君(D2)、石崎 翔馬君（M2）,奥林 瑞貴君（M2）の研究成果がアメリカ物理学会誌「Physical Review C」に掲載されました。

この研究は、日本原子力研究開発機構のタンデム加速器を用いた核子移行反応18O+237Npの実験研究に関連し、近畿大学のグループが理論計算を行い、実験と理論双方によるアプローチで新しい研究成果を挙げました。実験によるNp236、Pu238、Cm245の低エネルギー核分裂が初めて報告されています。これら測定された原子核の実験データは、近畿大学チームによるランジュバンの計算と比較が行われ、初めて測定された原子核の核分裂機構に説明を与えました。
理論計算は高い精度で行われ、実験値を再現し、また原子核の内部構造や温度依存性、角運動量の情報も、計算により明らかにされました。

Measurement of fission-fragment mass distributions in the multinucleon transfer channels of the 18O+237Np　reaction
M. J. Vermeulen, K. Nishio, K. Hirose, K. R. Kean, H. Makii, R. Orlandi, K. Tsukada, I. Tsekhanovich, A. N. Andreyev, S. Ishizaki, M. Okubayashi, S. Tanaka, and Y. Aritomo

Phys. Rev. C 102, 054610 (2020) - Published 20 November 2020

https://journals.aps.org/prc/abstract/10.1103/PhysRevC.102.054610