ため池の水環境を官学連携で保全
松野 裕 教授(環境管理学科)
6: 安全な水とトイレをみんなに
すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
  • 10: 人や国の不平等をなくそう

 ため池は、農地に水を供給するために古くから建造されてきました。その数は全国に10万以上あります。奈良県においても、大和平野を中心に5千以上のため池が存在しています。 現在のため池は農業に利用されるだけでなく、宅地化が進行した大和平野における水辺空間として、貴重な地域資源となっています。

 しかし、県内のため池の水環境については今まで十分に把握できていない状況でした。そこで近畿大学は、奈良県と共同でため池の水質やため池環境に関わる調査を過去数年にわたり継続的に実施してきました。調査によって、水環境の悪化しているため池を特定するとともに、ため池水質と集水域の土地利用との相関関係を導き出しました。さらに、地域住民が参加する生き物調査や水環境保全の啓発活動などを県と共同で行なうなど、奈良県ため池の環境保全に取り組んでいます。