地域連携により里山を利用・管理する
松本 光朗 教授(環境管理学科)
17: パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
  • 4: 質の高い教育をみんなに
  • 15: 陸の豊かさも守ろう

 旧来、里山林は薪や炭といったエネルギーや、山菜や果実などの食料、柴刈りによる農業用肥料を得る大切な場所として、継続的に利用されてきました。しかし、燃料革命や化学肥料の普及により、今では里山林は利用されない資源となっています。このままでは、里山林は適切には更新が進まず、国土保全や生物多様性保全といった森林機能の劣化にも繋がる恐れがあります。それを改善するには、適切な伐採や利用により健全で多様性の高い森林に再生する必要がありますが、従来型の林業的経営では採算性が低く適切な管理が実行できません。

 その解決のひとつとして、地域連携により里山林を利用し管理する仕組みづくりに取り組んでいます。森林所有者や林業関係者だけに頼るのではなく、地域のさまざまな参加者、すなわち近隣住民、NPO、学校、研究機関、そして行政や民間企業なども参加することにより、地域全体で里山林を利用し管理するのです。里山林の利用・管理を通して、里山との関係が身近になり、里山全体による利益を地域の皆で享受するという姿を作りたいと考えています。

さまざまな立場の参加者が集まり地域連携により里山林を利用し管理します
さまざまな立場の参加者が集まり地域連携により里山林を利用し管理します