熱帯林を守る国際的な仕組み REDD+
松本 光朗 教授(環境管理学科)
15: 陸の豊かさも守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
  • 13: 気候変動に具体的な対策を
  • 17: パートナーシップで目標を達成しよう

 熱帯林は生物多様性の宝庫であり、豊富な木材資源をも持っています。その保全は古くから叫ばれていますが、熱帯林の破壊は未だに続いています。また、熱帯林の破壊による二酸化炭素の排出は、化石燃料の利用による排出に次ぎ、気候変動の原因となる温室効果ガス増加の原因にもなっています。そのため、気候変動対策として熱帯林を保全する国際制度であるREDD+(レッド・プラス)の構築が議論され、2015年COP21パリ協定によりその実施が合意されました。

 REDD+とは「途上国の森林減少・劣化に由来する二酸化炭素の排出の削減および森林保全,持続可能な森林経営,森林炭素蓄積の増強」の頭文字による略語です。その特徴は、森林減少・劣化の抑制や保全などの活動により排出量削減・吸収量増加ができれば、その量に応じて資金が得られるという仕組みにあります。また、REDD+の活動は生物多様性の保全や地域環境など、幅広い効果をもたらすこと期待されています。

 これまで、REDD+の科学技術と社会経済の両面から制度構築に貢献してきました。現在も日本国内でのREDD+の理解を広めるなど、社会実装のための活動を行っています。

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カンボジアでは、違法伐採によって熱帯季節林(写真左)がキャッサバ畑(写真右)に開発されていました。