持続的漁業に向けた魚類の行動解析
光永 靖 准教授(水産学科)
14: 海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
  • 2: 飢餓をゼロに
  • 15: 陸の豊かさも守ろう

世の中にはとても美味しいけれど,数が減ってきている魚がいます。例えば,マグロ類やビワマス,メコンオオナマズなどです。これらの魚に発信機や記録計を取り付けて追跡し,「いつ・どこで・なにをしているのか?」を明らかにしていきます。相手のことをよく知ることで,上手く獲る(とる)こともできれば,逆に護る(まもる)こともできるからです。例えばフィリピン海域のキハダ(マグロ)の幼魚は,浮漁礁の周りで群れを成して泳いでいます。一網打尽にすることは資源にとってはよくありませんが,貧しい地元の漁業者の生活も守っていく必要があります。ビワマスは琵琶湖の中を水平的にも鉛直的にも広く利用して泳いでいます。琵琶湖全体でひとつの資源として捉える必要があります。タイの湖では種苗を放流し,2mにまで成長したメコンオオナマズが毎年,漁獲されています。自然産卵はしていないようなので,持続的に利用していくためには,放流量と漁獲量のバランスが大事になってきます。美味しい魚をいつまでも食べ続けることができるよう,研究を進めています。

mitunaga.jpg
写真 巨大メコンオオナマズと入水記念写真