卒業生・修了生および保護者の皆様へ

2020.03.19

卒業生・修了生および保護者の皆様へ


理工学部長  山口 仁宏
総合理工学研究科研究科長  竹原 幸生

卒業式・修了式は人生における大きな節目であり、保護者の皆様も含め、その日を心待ちにされていたかと思います。しかしながら、今年度は新型コロナウイルス感染予防対策として、所属されていた研究室単位での卒業証書・学位記の授与となりました。我々理工学部の教職員も、皆さんの成長を見届け、人生の新しい舞台へと送り出す大切な卒業式・修了式を開催することができず、非常に残念な思いでおります。その代りとしては、甚だ不十分ではありますが、ここに皆様へのお祝いの言葉を御送り致します。

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卒業生・修了生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
皆さんは近畿大学理工学部ならびに総合理工学研究科で多くの事を学び、多くの人と出会い、多くの友達をつくり、有意義な学園生活を過ごされたことと思います。特に、卒業生の皆さんにとって、各研究室で過ごした期間は、それまでの生活とはがらりと変わり、月曜日から土曜日まで、しかも朝から晩まで先生や先輩たちと一緒の時間を共有し、実験結果に一喜一憂した貴重な時間だったかと思います。この研究室で過ごした時間は、理系の学生だったからこそ得られた特権です。そして、ある意味で実社会の縮図となっている研究室で、縦の繋がりと横の繋がりの大切さ、時間厳守の厳しさ、そしてプレゼンテーションを含む自己表現の難しさを実感したことと思います。しかしながら、この体験は実社会に飛び立つための非常に大切な助走期間となっていた事を忘れないで下さい。
また、大学院を修了された皆さんは、目的(目標)をしっかりと定め、日々研究実験に励まれるとともに、後輩の指導と言う新たに加わった使命もこなし、組織のリーダーとして期待される人材へと成長されたと確信しております。
今、日本の企業(特に大企業)では、新しいイノベーションは出ない(非常に出にくい)などと言われています。その理由は、色々あるかと思いますが、その一つとして日本人が均一性を好むということにあると言う事です。この考えを提起している人は、『イノベーションとは、要は「人と違うことを考える」「これまでとは違った新しい発想をする」という事です。その意味で皆が均一性を志向し、他人と違うことを怖がる同調圧力ほどイノベーションを阻害するものはないと思われます。ただ、日本社会に刻み込まれた均一性指向は、私たち日本人が自分で考えているよりずっと根深いものかもしれません。』とも述べています。確かに、人と違ったこと(変わったこと)を行うには勇気が必要です。しかも、失敗しないためには、現状を維持することだけを考え、何も新しいことをしないのが一番かもしれません。しかし、それでは、イノベーションはもちろんのこと感動も生まれません。貪欲にチャレンジするからこそ感動が生まれ、イノベーションへとつながるのです。夢と情熱を持ち続けることができれば、どんな困難も乗り越えられると思います。そして、有言実行です。不平不満は誰でも何時でも言うことができます。しかしそれでは進歩はありません。とにかく、置かれた状況で全力を尽くすことが何よりも大切です!
卒業生・修了生の皆さん、近畿大学での有意義な学園生活で得られた誇りを胸に、次世代をリードする人材になると言う気概を持って、これからの道を歩んで行ってください。
皆さんの成長を楽しみに、かつ御活躍を期待しております!!

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