AIDSについて

AIDS(エイズ)ってどんな病気?

AIDS(後天性免疫不全症候群)は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。HIVに感染して免疫が低下し、通常の免疫の状態では発症しないような感染症(日和見感染症)や悪性腫瘍を合併する病気のことをHIV感染症と呼んでいます。この時、重篤な日和見感染症を発症した状態をAIDSと呼んでいます。
一般にAIDSというと死に至る病気というイメージが強いのですが、これはHIVウイルスが直接人間を死に至らしめるのではなく、HIVウイルスによって本来備わっている身体の免疫機能が破壊され、そのために様々な病気を合併することによって最終的には死に至ります。
WHO/UNAIDS(世界保健機関/国連合同エイズ計画)の2007年の調査では、全世界で約3320万人がHIVに感染していると考えられています。毎日6800人が新たにHIVに感染し、5700人がAIDSで死亡しており、死亡者累計は2700万人以上です。
2007年の一年間に国内で報告されたHIV感染者は1082人、AIDS患者は418人で過去最高となっており、特に日本国籍男性の増加が著しくHIV感染者全体の約86%を占めています。報告された以外にも感染に気づいていない人や、検査を受けていない人が多数いると推測されています。

HIV感染の原因は?

感染の原因は同性間や異性間の性行為が中心で、HIV感染者の精液・膣分泌液・血液が粘膜や傷口と接触し、体内に入ると感染の可能性が考えられます。他にも母子感染や、HIVに汚染された輸血・血液製剤・麻薬の回し打ち等の注射針を介しての感染もあります。日常生活を送る中で、食べ物や食器・握手・咳・入浴・蚊やペット・衣類などを介しては感染しないと言われています。

感染経路で最も多いのが男性の同性間による感染で、15~49歳までの感染例が多く70%を超える割合で増加が続いています。男性同士の場合妊娠の可能性がないために『コンドームを使用する=何らかの病気を持っている』と疑っていることになるため、使いにくいなどのケースから感染の拡大に繋がっているようです。そして、異性間の感染も増加傾向にあり、感染のピークは男性では30~34歳、女性では25~29歳です。

HIVに感染したらどんな症状がでるの?

感染を予防するには・・・

  • 正しい知識を身につけること
  • 自分の意思表示をはっきりすること
  • コンドームを正しく使用すること
  • 不特定多数の相手と性交渉をしないこと

HIV感染症の治療について

以前は致死的な病気であったHIV感染症ですが、現在は治療薬の開発も進歩し予後は大きく改善しました。HIVに感染しても、医療機関に通院して正しい治療を行えばAIDSの発症を長期間抑えることができ、今までとほぼ同じ生活をすることができます。HIVに感染しても必ずAIDSを発症するとは限りません。しかし、自覚症状が全くなくても一度感染すると生涯HIVを体内に持つことになり、他の人に感染させる可能性があります。
現代は、性交渉があったすべての人に感染の可能性があると考えられる時代です。AIDS検査は保健所や保健福祉センターで、匿名や無料で受けることも可能です。詳しくは下記のホームページをご参照ください。

エイズ予防情報ネット