頭痛について
「頭が痛い、きっと片頭痛だ…」と自己判断して薬を飲んですませていませんか?
頭痛には色んな種類があります。CTやMRIなどの検査をしてもはっきりとした異常が認められない慢性頭痛(機能性頭痛)や、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤や脳腫瘍などが原因で放置しておいたら命に関わる頭痛(症候性頭痛)などです。
日本人の約4割は慢性頭痛に悩まされていると言われています。今回は慢性頭痛の中でも大半を占めている緊張型頭痛と片頭痛について取り上げました。一概に頭痛といっても起こっている原因によって対処方法も違います。
ぜひ参考にしてみてください。
緊張型頭痛
別名「肩こり頭痛」ともいわれ、首筋から頭部にかけての筋肉が硬くなることによって起こります。
日本人に最も多く、年齢層も10代~90代と幅広い人に見られる頭痛です。
特徴
- 首や肩のこり、眼の痛みがある。
- 圧迫感のある痛みや締めつけられるような痛みを感じる。
- めまいや身体のだるさなどを伴い日常生活に支障をきたすこともあるが、寝込むほどのことはない。
原因
- 長時間の同じ姿勢や眼精疲労
- 長時間同じ姿勢をとり続けたり、パソコンの画面を見続けたりすると、首や後頭部の筋肉が収縮して硬くなり、肩こりや眼精疲労から頭痛につながります。
- ストレスや精神的な緊張
- 神経や筋肉の緊張が脳に影響を及ぼして、脳の痛みを調節する機能がうまくいかないために起こります。
対処法
- 運動や入浴、マッサージなどで血行を良くし筋肉の緊張をほぐす。
- 同じ姿勢を長時間とらないように工夫する(時々肩周囲や上半身のストレッチ体操を行うなど)。
- リラックスできる時間を作る。
- 規則正しい生活を送り、バランスの良い食事を摂る。
- 薬
痛みや炎症を抑えたり筋肉を緩める薬が処方されます。薬だけに頼るのではなく、生活習慣を見直すことも心がけましょう。
片頭痛
血管が拡張する際に神経を圧迫したり、血管周囲に炎症を起こして周りの神経を刺激する説などがありますが、原因ははっきりわかっていません。女性に多く、その割合は男性の4倍ほどで思春期頃より発症することが多い頭痛です。片頭痛には前兆を伴うタイプとそうでないタイプがあります。
特徴
- 「ズキズキ」「がんがん」と脈うつように痛む。
- 身体を傾けるだけで痛みが強くなることがある(ひどいときには寝込むなど常生活に支障をきたす)。
- 痛みが強いときには嘔気や嘔吐を伴うことがある。
- 痛みがあるときには光や音、臭いにも敏感になる。
- 前兆を伴う片頭痛の場合には閃輝暗転(せんきあんてん:発作が起きる前に光のようなものが見えたり、一部分だけが見えなくなる)が生じることが多い。
原因
片頭痛を引き起こす原因を知って、それを取り除くように心がけましょう。
- 過労や精神的ストレス
- テスト等で徹夜が続いた後、緊張が解けてホッとした途端に頭痛が起きた経験はありませんか?これは、緊張によって収縮していた血管がリラックスして拡がったためと考えられます。
- 食品
- チョコレートやアルコール、ナッツ類など特定の食品で誘発されることがあります。
また、空腹時は血糖値が下がるため頭痛が起こりやすくなります。 - 睡眠
- 寝不足や寝すぎによっても起こりやすくなります
- 外出や旅行
- 騒音や、暑さ乾燥などの気候の変化によっても起こりやすくなります。
旅行中によく片頭痛がおこるのは、前夜の寝不足や緊張と不安、不規則な食事、車酔いなどの影響が考えられます。 - 月経との関係
- 女性ホルモンの変化も誘因の一つとなるため、月経前や月経中に起こる人も多いようです。経口避妊薬(ピル)の服用は片頭痛の誘因や悪化につながる例もあるようですので、片頭痛のある人はできるだけ避けたほうがよいでしょう。使用時は産婦人科の医師に、必ず片頭痛があることを伝えるようにしましょう。
- 遺伝
- 片頭痛を起こしやすい体質は遺伝する傾向が強く、特に母親が片頭痛の場合に遺伝することが多いようです。
対処法
同じ対処法でも人によって効果は違いますので、自分にあった方法を見つけて頭痛をコントロールしましょう。
- 冷たいタオル等をあてる
頭を冷やすことで血管が収縮して痛みが和らぎます。 - 安静にする
光や音などに過敏になるので、暗い静かな場所で休息を取りましょう。可能なら、ひと眠りすると楽になることが多いようです。 - 食事
偏った食事は避けてバランスの良い食事を取りましょう。 - 薬
片頭痛の治療には血管の拡張を抑えたり、痛みや炎症を抑える薬が処方されます。前者の場合は痛み始めに服用することがポイントです。これは、痛みが起こってからだと効きづらく、嘔気などを伴った場合には服用できなくなるからです。
中には片頭痛に緊張型頭痛を併発している場合もありますので、痛みの続く人は早めに病院を受診しましょう。
終わりに
市販の頭痛薬でうまくコントロールできていれば問題はありませんが、効果がない、毎日服用している、寝込んでしまう場合などは病院を受診しましょう。
自己判断での薬の飲みすぎは、効かなくなるばかりか慢性化にもつながるので注意が必要です。