古民家再生プロジェクト ~2014年度 成果発表会 その1~

2015.03.17

  • 建築

建築学科環境設計研究室(市川尚紀 准教授)を中心として行っている「古民家再生プロジェクト」。これは、地域に残る茅葺き古民家の再生を行う活動です。

プロジェクト開始から早くも6年が経ち、ここ数年かけ精力的に修復を行ってきた、東広島市豊栄町の古民家も手直しが一区切りを迎えました。
3月10日(火)、今年度で卒業する4年生の研究成果発表会が行われるということで、密着取材してきました。暦の上では春ですが、当日は真冬並みの寒さとなり、古民家周辺もご覧のように、あたり一面雪景色。

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<茅葺屋根も雪化粧>

茅葺の屋根には、なんと氷柱もお目見えしていました。よく見ると、屋根上の棟部分まで小さな氷柱がニョキッと!地域の方曰く、棟にまで氷柱ができるのは大変珍しいことだそうです。

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現地には4年生をはじめ、今回初参加という1年生や、活動でお世話になっている地域の方々など総勢30名程が集まっており、本日のメインイベントである4年生の卒業制作のお披露目の準備や、食事会の豚汁作り、餅つき用の餅米の炊飯などが、同時進行で進んでいました。

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卒業制作では、重本真依さん(徳島県立川島高校出身)の作品「かやねずみ ~和の設と畳~」がお披露目となりました。卒業した先輩たちの作品である、ステンドグラス窓の襖(2013年度作品)と、古民家を修復する際に出た廃材で作った座椅子(2012年度作品)とのコラボレーションです。

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もともとは下の写真のように、布団が山積みで薄暗い雰囲気だった和室が、学生たちによって幻想的な和の空間へと進化を遂げました。
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重本さんに先日建築学科で行われた卒業研究発表会について聞いてみると「あんなに緊張したのは生まれて初めてでした」と話してくれました。(重本さんも登場している卒業研究発表会の様子はこちら

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ちなみに、畳の空間でひっそりと輝いているステンドグラスの照明は、重本さん2年生時の作品。この照明がヒントになり、先輩の学生は襖作品を制作することになったそうです。学生たちのひらめきや工夫、たくさんの「やってみよう!」が詰まった空間なんですね。

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その2へつづく!