ヒト細胞核内におけるRNA分解活性調節の一端を解明
2022.12.01
- 研究報告
アグリ技術革新研究所所員の増田誠司教授らは、真核細胞における主要なRNA分解活性の一つである巨大なタンパク質複合体RNAエキソソームについて、MPP6(約20kDa)という小さなタンパク質が巨大複合体の活性制御に重要な役割を担っていることをヒト細胞において明らかにしました。
RNAエキソソームは、分解するRNAの特性に応じて複数の補因子を使い分けています。MPP6はこのうち特定の補因子をRNAエキソソームに呼び込んで、その活性や分解するRNAの種類を調節している可能性があります。この成果は、細胞内でのRNA分解活性の調節機構の全容解明に新しい展開を与えるとともに、RNAエキソソームの不具合が原因となる疾患の治療法の開発にもつながると期待されます。
この研究は近畿大学、京都大学、大阪大学、藤田医科大学、明治薬科大学との共同研究の成果です。