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研究

細胞走化性レベルの調節に受容体の多量体形成が関与することを発見

近畿大学理工学部生命科学科 早坂晴子准教授のグループは、免疫細胞および癌細胞の細胞遊走が、ケモカイン*受容体の多量体レベルによって調節されることを見出しました。
*ケモカイン:細胞上に存在する特定の受容体に結合し、細胞遊走などのシグナルを誘導する小分子。

【本件のポイント】
・ケモカイン受容体のホモ多量体形成により、ケモカインに対する細胞応答性が亢進することを発見
・ケモカイン受容体多量体形成を阻害するペプチドを用いて、免疫細胞や癌細胞の細胞遊走を抑制することに成功

【研究の背景】
ケモカイン受容体 CCR7 は、免疫反応が起きる場である二次リンパ組織への免疫細胞の遊走や、癌細胞のリンパ節転移に関与することが知られています。これらの細胞の動きをコントロールするためには、CCR7の活性調節機構を分子レベルで理解することが重要です。しかし、CCR7が関与する細胞応答の調節機構は不明な点が多く、これまでCCR7シグナルを特異的に阻害する方法は見つかっていません。

【研究の概要】
最近、細胞膜受容体を介した細胞応答シグナルの誘導において、同じ分子同士の結合(ホモ多量体)や別の関連分子との結合(ヘテロ多量体)の重要性が明らかになってきました。そこで
本研究では新たな手法を用いて、CCR7 依存的細胞応答における分子多量体形成の重要性を解析しました。人工的に分子同士の多量体形成を誘導するiDimerizeを用いた解析、および 独自にデザインしたCCR7多量体形成阻害ペプチドによる細胞遊走阻害実験により、CCR7依存的細胞遊走がホモ多量体形成により調節されることを見出しました。

【今後の展望】
本研究から、CCR7多量体形成の阻害により、リンパ球や癌細胞の細胞遊走調節が可能であることが明らかになりました。CCR7 シグナルはアレルギー皮膚炎に関与する細胞の移動と免疫応答にも重要であることがわかっています。今回デザインしたCCR7多量体形成阻害ペプチドは疎水性が高いため、生体における効果を調べるためには改良を加える必要がありますが、将来、CCR7多量体形成阻害効果をもつ化合物の開発により、癌転移やアレルギー性皮膚炎の予防・治療が可能になるかもしれません。

【掲載誌】(https://www.nature.com/articles/s41598-017-09113-4)
◆雑誌名:Scientific Reports
◆発刊元:Nature Publishing Group
◆論文名:Regulation of CCR7-dependent cell migration through CCR7 homodimer formation
◆著者:小林大地(近畿大学/大阪大学)、遠藤正隆 (近畿大学)、越智裕隆(近畿大学)北條裕信(大阪大学)、 宮坂昌之(大阪大学)、早坂晴子(近畿大学)








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