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アカデミックシアター

真山千春(仮名)、39歳。独身で一人暮らし。関西私立大学卒業後、公務員試験に合格し、大好きな地元に就職。市役所勤務で多忙な日々を送り、近頃はそんな仕事中心の生活に少し嫌気が差している。昔から本が好きで、学生の頃は司書という仕事に憧れを抱いていた。 

アカデミックシアター

京都市内の市役所に勤める私は、新しい産業を生み出すために企業の誘致や、地元の方に楽しんでもらう為に、企画書の作成に追われる日々に忙殺されながら、第二のキャリアについて思いを馳せていた。関西私大を卒業して、生まれ育った地元の為に働き始めてから早17年。平日は職場と家の往復。気軽に飲みに行ったり旅行に行ったりできるような友人はみんな東京に出て行ってなかなか会えず、休日も一人家で韓国ドラマを見て過ごすことが多い。

仕事一辺倒な日々から抜け出したい、何か新しいことを始めたい。どうせなら、いつか結婚して子育てをしながらでも働けるように、資格の勉強をするのはどうか。そんな思いから、子どもの頃から憧れていた「図書館司書」の資格取得を目指すことに決め、近畿大学通信教育部・図書館司書コースに入学することとなった。

長年ワーカホリック気味だった私にとって、休日仕事から離れて全く別ジャンルの勉強をするのはとてもいいリフレッシュ方法だった。いざ学習を始めてみると思いのほか楽しく、好きなことにはとことんオタク化する自分にぴったりな休日の過ごし方なのかもしれない。

しばらくの間、送られてきた教材を利用しながら学習を進めてきたが、休日を利用して初めて大学へ足を運び「アカデミックシアター」へ行ってみることに。図書エリアや自習室が充実しているとは聞くが、いったいどんな場所なのだろう。

長らく職場と家の往復生活だった私は、新しい環境への不安よりも、「何かがはじまりそうな予感」に胸が高鳴っていた。

課題を解決する実践場「アカデミックシアター」

「これ、本当に大学なの?」
アカデミックシアターを訪れた私は、何よりもまずその広大さに圧倒される。建物も極めて近代的なデザインで、学び舎というよりは先進的な研究機関という印象だ。
近畿大学アカデミックシアター、それは、建学の精神「実学教育」と「人格の陶冶」を礎に、人間のあらゆる知的好奇心を揺り動かす、いわば「知の劇場」だそうだ。 全6号館から成るこの巨大な施設の中に、独創的な図書エリア、多数の打ち合わせスペース、モノづくりスペースやカフェ、AATCEと呼ばれるApple認定の教育トレーニングセンターなんかもあるらしい。
今日は「24時間自習室」へ行って授業の課題レポートを仕上げるつもりだ。その前に、気になっていた図書エリア「ビブリオシアター」も覗いてみよう。

What's

アカデミックシアター

文理や領域の垣根を超え
本能的な知的好奇心を揺り動かす

アカデミックシアターには実学の基礎となる本分類「近大INDEX」、社会価値を生む実学プロジェクト「ACT EX(イーエックス)」、モノづくりを実現する実学の実践拠点「THE GARAGE」の3つの機能がある。産業・医療・教育・芸術など、文理の垣根を超え、学生、教職員、企業、地域と交わる新しい実学の実践が、私たちを取り巻く社会の諸問題を解決へ導く。

独自の図書分類が光る「ビブリオシアター」

5号館ビブリオシアター。1Fは「NOAH33」と呼ばれる図書エリアのようだ。ノアといえば、旧約聖書に登場する人物のことだろうか。

「NOAH33」は、大学の図書館というよりも、センスのいいセレクトブックショップという雰囲気だ。黒板アートでおすすめの書籍が描かれているのもユニークで楽しい。
天井まで伸びた書架にズラリと並べられた本を惚れ惚れとした気持ちで眺めていると、所々で本が表向きにディスプレイされていることに気付いた。どうやらこれは「キーブック」というものらしい。
「NOAH33」はその名の通り33のテーマで構成され、テーマごとに「キーブック」なるものが設定されているようだ。その分野の扉を開くための「鍵」ということか。テーマを理解するための入門書が用意されているのは心強い。

一冊手に取って読み始めると、思わずその隣の本にも手が伸びる。夢中で書棚を眺めるうちに、あることに気付いた。
「なんだか面白い本の並びだな…。授業で学んだ『日本十進法分類』じゃない」
図書館司書コースの通信授業で学んだばかりの知識がここで生きるとは。

調べてみると、ここでは近大独自の図書分類「近大INDEX」を採用しているらしい。普段であれば手に取らないようなジャンルの本を、目にする機会を増やそうという狙いだそうだ。
多様な時代の、異なるテーマの本が、偶然にも同じ棚に並ぶ…。
なるほど、これはまさに「知の方舟」だ!

興奮冷めやらぬ思いで2Fへ上がると、また驚きの連続だった。
そこに現れたのは「DONDEN」と呼ばれる、マンガを中心に構成された約4万冊のブックコーナーだ。まさか大学でマンガが読めるなんて!

よく見るとマンガだけではない。マンガをフォローするように、テーマに関連した新書や文庫が並んでいる。
よくマンガに影響を受けて起業した経営者や、主人公に憧れてスポーツを始めた選手がいると聞く。それが人生の良いきっかけになるならば、入り口はマンガだっていいのだろう。
マンガというライトな入り口から知がつながり、関連書籍に手が伸びる。まさに「知のどんでん返し」。現役大学生だけでなく、大人にとっても嬉しい試みだ。

What's

ビブリオシアター

実学に向かう知の分類
独自の解釈が光る「近大INDEX」

5号館「ビブリオシアター」1Fに位置する「NOAH33」は、近大独自の図書分類「近大INDEX」を基に設計されている。これは従来の十進分類法に基づく図書分類ではなく、近大流の新たな実学的・文理融合的な文脈によるもので、3万冊のセレクトブックが設置されている。2F「DONDEN」はマンガを中心に新書・文庫によって構成された約 4万冊の全く新しいインデックス。学生の関心が高いマンガから知のつながりを感じ、知の奥へ向かうための、「知のどんでん返し」が起こることを目指している。

デザイン性に富んだカフェ空間「アメニティフィールド」

ついビブリオシアターに長居してしまった。何とも言えない心地良い疲れを感じる。4号館、アメニティフィールドにあるカフェで一休みすることにした。
大学構内とは思えないおしゃれなカフェ空間に、ほっと頭と心がゆるむ。ビブリオシアターで借りた本をここで読むのもいいかもしれない。
大学で友達ができたらここでお喋りするのも楽しいだろうな。ゆったりコーヒーを飲みながら、これからの学びの日々に期待がふくらむ。

What's

アメニティフィールド

学窓らしからぬ本格ショップを
研究の合間にカジュアル使いする贅沢

デザイン性の高い特徴的な店舗デザインをイメージし、リラックスしながらカフェでも学べる空間作りがコンセプト。
サードウェーブコーヒーの流れを特徴的に表す人気コーヒースタンド「ALL DAY COFFEE」。

オンラインで予約できる「24時間自習室」

自習室は、事前に座席を予約してから来た。自習室に来たけど席が空いてない…という心配がないのは嬉しい。社会人になると「勉強するためだけの空間」に身を置ける機会はめったにない。集中して取り組める環境があるのは本当にありがたいことだ。
周囲の学生たちも黙々と勉強に取り組んでいる。テキストを開くと自然とやる気に火が付き、あっという間に課題を完成させることができた。
24時間解放されているなら、平日仕事終わりでも来れそうだ。遅い時間になるときは、女性専用自習室も使ってみよう。
「もしかして、アカデミックシアターって、私みたいな大人にもすごく優しい環境なのでは…」
またすぐに来よう、そう考えながら軽い足取りで帰路についた。

What's

24時間自習室

「今、学びたい」に呼応する
全国的にも珍しい24時間解放

1Fは約100席、2Fは約150席を誇る24時間解放の自習室。
1Fは女性専用自習室となっている。

今回のハイクラススポット

March 2024
no.03

アカデミックシアター

課題を解決する実践場

アカデミックシアター

「文理の垣根を越えて社会の諸問題を解決に導くための学術拠点」をコンセプトに今までにはない図書館、新たな学びの空間、学生が教職員のみならず、卒業生、企業人、地域住民など多様な人々と出会い、自由に語り、学び、情報を発信できる新しい集いの場を目指すもので、5つの建物で構成されています。

※実際の施設運営とは異なる場合があります。現在の施設運営については以下「詳細はこちら」をご確認ください。

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