【体験プログラム報告】 韓国外国語大学にて「韓国の多文化社会の理解と実践」をテーマに研修を実施

2026.04.03

国際学部の「体験プログラム」の一環として、韓国語コースの学生4名が2026年3月13日(金)から17日(火)までの4泊5日の日程で韓国外国語大学多文化教育院にて実施された研修に参加しました。今回の研修は、「韓国の多文化社会の理解と実践」をテーマとして行われたもので、韓国社会における多文化家庭支援、継承語教育、二言語(バイリンガル)教育の実践について学ぶことを目的としたものです。また、本研修は、韓国外国語大学多文化教育院が運営する「LGと共にする愛の多文化学校」の交流事業の一環として実施され、2月に本学部にて行われたLG多文化学校中等課程の海外研修に続く研修として位置づけられています。

初日は、韓国外国語大学ソウルキャンパスにおいて歓迎式が行われ、LG多文化学校の紹介、キャンパスツアー、日本研修参加学生とのオンライン交流などが実施されました。また同日には、LG多文化学校出身のメンターおよび日本出身の結婚移住女性による特別講義、メンターによるトークコンサート、専門家による韓国における多文化社会の歴史に関する特別講義が行われました。これらの講義・対話を通して、参加学生は、多文化家庭の当事者や支援に関わる立場から語られる経験に触れながら、韓国社会における多文化社会の現状を学びました。特に、制度や理念としての多文化社会を知るだけでなく、それが実際にどのような経験や関係性の中で成り立っているのかを考える機会となりました。

研修期間中にはこのほか、韓国初の多文化特区である安山多文化特区の訪問や、ソウル東大門区家族センターにて結婚移住女性対象の韓国語の授業の見学も実施されました。安山では、地域の特徴や多文化共生に関する説明を受けたうえで、現地の見学を行い、地域社会における多文化社会について考察しました。また、東大門区家族センターでは、韓国語の授業見学に加え、行政関係者との意見交換も行われ、教育実践と支援体制の両面について理解を深めました。

今回の研修は参加学生にとって、韓国語の学習を社会的・教育的文脈の中で捉え直し、多文化社会における言語教育のあり方を考える機会となりました。講義、交流、現地見学を組み合わせた今回のプログラムは、今後の学修を進めるうえでも重要な基盤の一つになると考えられます。以下は、参加学生によるコメントです。

・山野菜那さん
今回のプログラムでは、結婚移住女性の方々のお話や、韓国で多文化社会に関わる方々の講義を通して、韓国の多文化家庭の現状や継承語・二言語教育について理解を深めることができました。特に、結婚移住女性の方が子どもの言語教育や社会での孤立について語られていたことが印象に残っています。今回の研修を通して、多文化社会における課題は国籍だけでなく言語や家庭環境などさまざまな要因が関わっていることを実感し、将来は自分もこのような分野に関わりたいと感じました。

・寺見奏保さん
今回のプログラムを通して、多文化への見方が大きく変わりました。これまで無意識に多文化の人を特別視していたことに気づき、また多文化とは国際的な分野にとどまらず、障がいなども含む広い概念であることを学びました。そして日本語教育の実践では、生徒の積極的な姿からやりがいを感じ、将来の新たな選択肢として考えるきっかけにもなりました。今後も多文化社会に対して自分にできることを考え続けたいです。

・梅澤咲さん
本プログラムを通して多文化家庭への理解を深め、さらに今回のソウルでの研修ではより実際の様子を知ることができました。子どもだけでなく保護者や指導する立場の話を聞く中で、家庭での言語の違いによる苦労や子育ての悩み、教育現場での関わり方など、それぞれの立場によって異なる課題や考えがあることを知りました。また安山では様々な言語が飛び交う中で戸惑いも感じ、多文化社会に対する見方を見直すきっかけとなりました。今後は多様な立場から理解を深めていきたいです。

・安田咲希さん
今回のソウルでの研修を通して、私は多文化家庭での子育ての難しさを実感しました。実際に多文化家庭で子育てをされている方のお話を伺った際、私は以前、日本人と韓国人の子どもであれば、自然にどちらの言葉も話せるようになっていいな、と単純に考えていました。しかし、実際には言語の習得だけでなく、子どものアイデンティティや文化的ルーツをどう守るかという複雑な課題があることを知り、考えが甘かったことに気づかされました。
特に印象的だったのは、その方が子どもが母親に韓国語で話しかけてきても、ご本人はあえて日本語で話し続けるという姿勢です。その姿からは、言語教育の難しさだけでなく、親としての強い意志や、子どもに自分のルーツを伝えたいという深い思いを感じました。多文化家庭という一言にはまとめられないほど、家庭ごとに異なる背景や価値観があり、一人ひとりが試行錯誤しながら向き合っているのだと強く実感しました。
今回の研修で学んだことは、単に言語や文化の違いを理解するだけでなく、問題点にしっかり向き合うということです。私自身も今後、異文化理解や多文化家庭について学んでいきたいと思います。

(参考:多文化教育院関連のサイト)
公式インスタグラム
韓国外国語大学 HUFS Today

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