【グローバルキャリア論】新井恭子先生による特別講義を実施しました
2025.05.27
- 研究 教育
-- グローバル社会における災害情報の伝え方を学ぶ --
2025年5月21日(水)、総合科目「グローバルキャリア論」の授業において、元国際線客室乗務員であり、防災分野のNPO代表としてもご活躍されてきた新井恭子先生をお招きし、「グローバル社会における災害情報の伝え方」をテーマに特別講義を実施しました。
新井先生は、これまで東洋大学や活水女子大学で教鞭を執られ、現在は防災啓発活動や地域活性化にも積極的に取り組んでおられます。国際線CAとしての豊富なご経験と、多文化共生の視点を生かしながら、外国人観光客や在留外国人に対し、災害時にどのように情報を正確かつ迅速に伝えるべきか、多角的な観点から講義していただきました。
講義冒頭では、学生たちが主体的に考える導入として、「アクションクイズ(サバイバルゲーム)」を実施。通学途中に大規模地震が発生したという想定のもと、「スマートフォンだけを手にして、どのように情報を集め、どのような行動をとるか」についてグループで話し合いました。気象庁や自治体のウェブサイト、防災アプリ「Safety Tips」、SNSなど、実際に活用できる情報源に注目が集まり、学生たちは自らの行動を具体的にイメージしながら議論を深めていました。
講義の後半では、言語表現や文化の違いが災害時の情報伝達に与える影響について、具体的な事例とともに解説が行われました。たとえば「避難してください(Please evacuate)」という表現でも、文化背景によって受け取られ方が異なり、場合によっては緊急性が伝わらないことがあるといった指摘に、学生たちは驚きと関心を示していました。
学生からは、「災害情報の伝達がグローバルキャリアに直結することを初めて実感した」「言葉だけでなく、その背景にある文化や価値観を理解することの大切さを学んだ」といった感想が多く寄せられました。講義を通して、多様な文化を前提とした情報発信の在り方と、グローバルな視点で地域課題に向き合う重要性への理解が深まる貴重な学びの機会となりました。