【株式会社 北川鉄工所・リョービ 株式会社】工学部情報学科 専門科目「組織活動と情報システム」第7回特別講演を開催

2022.01.13

  • 研究 教育
  • 情報

令和3年12月21日(火)、情報学科の必修講義「組織活動と情報システム」で、特別講演の最終回がオンラインで開講されました。
「組織活動と情報システム」では、毎回、情報システムに関わる様々な産業の最前線でご活躍中の方々を外部講師としてお招きし、最先端の情報技術や経営マネジメント等に関する実践的な内容をご講演いただいています。

今回は、「ものづくりのまち」広島県府中市を代表する2つの企業からそれぞれ講師をお招きし、前半は株式会社 北川鉄工所 経営管理本部 人事部人事課 西村様と DX戦略本部 DX推進室課長 岡村様に、北川鉄工所の3つの事業部門の内容や製造業におけるIT部門の役割りについてご説明いただきました。

北川鉄工所.png

講義の前半では、日本国内だけでなく中国やタイ、メキシコにも製造拠点を持ち、北川鉄工所の製品が世界中で使用されている現状について分かりやすくご説明いただきました。
「金属素形材事業」では、自動車部品などを製造しており、世界で1年間に生産される自動車の約10台に1台に、北川鉄工所の製品が使用されていること、「産業機械事業」では、新国立競技場の建設にも使用されたビル建設用タワークレーンや、羽田空港にも併設されている自走式立体駐車場などをつくっていること、「工作機器事業」では、スマートフォンや自動車などの工業製品の生産に欠かせない『チャック(加工物を掴んで高速回転させるもの)』を製造しており、国内シェア60%、世界でも約180か国で使用され、全てのものづくりを支えていることなど、私たちの身近な生活の中で多くの役割を果たされていることを知ることができました。

その後、北川鉄工所のIT部門について、1969年に発足した「電算室」から「情報システム室」、そして現在の「DX推進室」に至るまでの歩みやIT部門の役割りについてご説明いただき、学生達は「工場へ新ラインを増設することになり協力を依頼されたが、IT部門にはどんな仕事がふってくるか?」というテーマでグループディスカッションを行いました。

北川グループディスカッション.png

学生達からは、「新しい生産管理システムを構築する」「従業員へ新システムの教育を行う」「売上予測を行う」などの意見があり、岡村様からは「ネットワークの構築、設備とシステムの連携など様々な要求があり、製造部門と緊密にやり取りしながら進めていく」こと、「製造業ではIoTを活用し、品質の向上や作業の効率化、技能の伝承へもつなげられる」ことをご説明いただきました。
そして最後に、北川鉄工所が求める人物像について、「主体性を持って自ら考え物事を進められる人、また、仕事を遂行するうえではコミュニケーションとチームワークが大切です。」と教えていただきました。

後半は、リョービ株式会社 管理本部 人事部部長兼人事課課長 松村様、情報システム部部長 井門様、情報システム部課長 佐藤様に、リョービの事業内容や情報システム部の役割、業務内容などについてご説明いただきました。

写真変更(リョービ様).png

講義の前半では、「ものづくりの会社ではどんなことが求められ、どんな活躍ができるのか」について、エンジン、ミッションなど、車の重要部品を手掛けるダイカスト事業や国内シェア№1のドアクローザなどの生産を行う建築用品事業などを例にご説明いただき、現在47名の近大卒業生が活躍するリョービの採用情報や人材開発システム、男女問わず活躍できるシステムづくりを進められている現状についても詳しくご説明いただきました。

その後、情報システム部の業務内容についてご説明いただき、情報システム部が求める"人財"について、「デジタル技術だけでなく、考える力や柔軟な発想力、コミュニケーション力など、新しい物事の企画を行い、推し進める力が必要です」と教えていただきました。

最後に、情報システム部の役割りの一つである業務システムの開発におけるフェーズごとの重要性や、IT技術を活用して生産性を向上させたり、コスト削減や人材不足の解消などを行う業務改革の必要性についてお話いただき、学生達は「大学におけるIT技術の活用」をテーマに、「大学内のどこの何に対して、どのようなIT技術を活用できるか?」についてグループディスカッションを行いました。

リョービ_グループディスカッション.png

学生達からは、「ARの技術を使って、難しい講義の内容や使用したグラフなどを体験できるとより深く理解できる」「AIを用いて食堂の混雑状況を瞬時に分かるようにする」「AIの画像認識を使って、体温計測と出席登録を同時にできるようにする」など、コロナ禍の学生生活に役立つ意見も多く発表されました。

今回のご講演は、これから就職活動が本格化する3年生にとって、企業の求める人物像なども知ることができる大変貴重な機会となりました。

株式会社 北川鉄工所 岡村様、西村様、リョービ 株式会社 松村様、井門様、佐藤様、ありがとうございました。