卒業者インタビュー

化学生命工学科 過去の学部案内掲載事例

湧永製薬(株)品質保証部勤務

品質試験課

山田 耕資さん

2014年 生物化学工学科(現・化学生命工学科)卒業
2016年 大学院システム工学研究科修了
徳島県立阿波高校出身

品質管理の知識と経験を積み
後輩にも大切な役割を伝えたい

当社は広島県に工場と研究所を置く製薬会社で、自社技術の開発に強みを持っています。私の仕事は製品に関わる品質管理で、入荷した原料の試験、混合時の途中検査はもちろん、最終製品となった段階でも成分が正しく含まれているかを確認しています。製品によって検査の内容や方法も異なり、薬が市場へ出て行くために欠かせない役割。自分たちの技術に大きな責任も実感、具体的な数値やデータとの照合を間違えないよう心がけています。大学時代に生物と化学の両方を学べたこと、扱う実験器具の経験などは、今の職場に役立っています。学会発表や大学院で深めた研究も、仕事につながる姿勢、粘り強さを養ってくれました。今後は当社でも機械の専門知識などが求められ、多くの後輩に期待しています。

山田 耕資さん

※上記は「学部案内2021」に掲載時の情報です。

アヲハタ(株)ジャム工場勤務

臨機応変に品質を守る食品技術者

髙田 千絵さん

2013年生物化学工学科(現:化学生命工学科)卒業
広島県立尾道東高校出身

原料の果物や完成したジャムを分析・検査。
安全・安心な食品を届けたい

ジャムをはじめ、フルーツ加工品などを製造するアヲハタ。
そのジャム工場で品質保証を担う部署に所属する髙田さん。原料となる果物の糖度や酸度を分析し、配合担当へデータを提供したり、完成した製品の検査をしています。原料である果物は、降雨量や日照時間によって毎年作柄が異なるため、臨機応変な対応が必要だとか。食の安全を守るため、ほんの小さな疑問でも、先輩や同僚に相談し「なぜそう判断したか」を常に明確にするよう心がけているそうです。「天然物ならではの難しさもありますが、様々な部署と連携を取り、みんなで作り上げた製品がお店に並ぶ姿を見ると、喜びもひとしおです。」と生き生きした表情で、仕事に対する情熱を語ってくれました。

仲間と試行錯誤しながら取り組む卒論が、
仕事に粘り強く取り組む基礎になる

学生時代の一番の思い出は「4年生の時のゼミ活動」と語る髙田さん。茶葉などの原料から有効成分を抽出する研究を行ったことで、天然物を取り扱う難しさを身をもって経験したそうです。上手くいかないことが当たり前と理解できたからこそ、今の仕事も粘り強く取り組めるのだとか。「ゼミでの経験が財産になる」と教えてくれました。

髙田 千絵さん

※上記は「学部案内2019」に掲載時の情報です。

(株)池田模範堂
品質管理グループ勤務

安心して使える製薬品質の見張り番

髙畑 外志幸さん

2009年生物化学工学科(現:化学生命工学科)卒業
2011年大学院システム工学研究科修了
石川県立小松明峰高校出身

工場内で製造する医薬品の品質を検査・保証。
携わる製品が販売店に並ぶ責任と喜びを実感。

富山県に本社工場がある「池田模範堂」は、ムヒの商品ブランドで知られる製薬メーカー。「肌を治すチカラ」というスローガンのもと、同社から生み出される製品を、愛用している人も多いでしょう。髙畑さんは工場部門に位置する品質管理グループで、調製した状態の中間体、容器や添付文書、梱包するダンボールなどを検査。薬局などの販売店に最終製品として並ぶ直前まで、厳しい基準の品質管理を担当しています。大学では分析機器を使う研究が多く、品質管理の現場は分析業務が中心のため、知識や経験も100%発揮できるとか。「今後はリーダーの役割も担う立場をめざす。自分の意見を出しながら円滑な現場を築きたい」と前向きです。

一人暮らしから学んだ自由と責任の両立。
ONとOFFの切り替えも楽しい思い出に。

地元を離れた6年間では自己管理も学んだ髙畑さん。ゼミの先生から「自由は責任を果たしてこそ」と教わり、大学の勉強、プライベートの遊び、どちらも切り替えながら全力投球したそうです。「学生時代は多くの友人を作り、先生と相談できる関係を持つこと。毎日を思いきり楽しんでください」と笑顔でメッセージをくれました。

髙畑 外志幸さん

※上記は「学部案内2017」に掲載時の情報です。

(株)加美乃素本舗
研究開発本部 開発部 商品開発課勤務

美しさを届ける製品開発に取り組む

水島 真美さん

2007年 生物化学工学科(現:化学生命工学科)卒業
2009年 大学院システム工学研究科修了
岡山県立津山高校出身

医薬品レベルの成分理解が必要な開発現場。
身体に使う製品の責任を感じながら成長中。

兵庫県神戸市に本社を置く「加美乃素本舗」は、”美と健康に奉仕する”という理念のもと、髪から肌、身体全体の美を追求する多彩な商品を製造販売しています。そうした製品づくりに深く関わる水島さんは、入社5年目で開発部商品開発課に勤務。白衣を着る仕事に憧れ、自分が肌の弱さに悩んでいたことから、化学の知識が生かせる業界を志望したとか。今は市場分析から企画した新製品の効能・効果の分析や実験、処方などを担当しています。「学生時代に得た経験や実験方法が役立つ現場。当社の製品は身体に使う医薬品レベルの品質と安全性が求められ、やりがいと責任を毎日実感します」と水島さん。「多くのお客さまへ美しさを届けたい」を目標に夢もふくらみます。

多くの学びとふれあいを体験したキャンパス。
実戦的な指導や環境に感謝の6年間。

高校の時から研究職と決めていた水島さんは、食品・医薬品・化粧品など、総合的な化学分野が学べる近畿大学工学部へ入学。「初めての一人暮らしでしたが、同じ夢を持つ多くの仲間と出会い、優しい先生方にも助けられました」と笑顔を見せます。「先生や職員の方に何でも相談すれば大丈夫」と心強い言葉をくれました。

水島 真美さん

※上記は「学部案内2015」に掲載時の情報です。

(株)アサヒテクノリサーチ
本社分析センター 第一分析グループ勤務

依頼された試料に含まれる成分分析で、地域の“安全・安心”に関わっています。

高中 敬子さん

2007年 生物化学工学科(現:化学生命工学科)卒業
2009年 大学院システム工学研究科修了
広島市立基町高校出身

固体や液体・気体中の成分を測定。
環境意識が高まる時代に不可欠な分野。

「アサヒテクノリサーチ」は多くの工場が周りに建ち並ぶ広島県大竹市に本社を置き、燃料や産業廃棄物などに含まれる物質の調査・測定・分析を行っています。髙中さんは入社3年目。今は物質中の塩素や硫黄など、元素の量や性質を分析するほか、消防法に基づく危険物確認試験にも携わり、得意先との信頼関係も強くなっているとか。「例えばボイラーで燃料が燃焼した時、燃料に硫黄や塩素が多く含まれている場合、ボイラーの損傷原因となります。廃棄物を処理する基準も法律で厳しく決められていたり、当社の調査・分析結果は地域の発展や安全に大きく関わっています。責任の重さを感じますね」と髙中さん。近畿大学工学部の先輩が多く活躍する社内で成長中です。

幅広い知識と経験を積んだ6年間。
今も現場で学生時代の教科書を開くほど。

化学・工学の幅広い分野を学べる授業や実験で、専門性と同時に偏らない知識と経験が身についたと語る髙中さん。今も学生時代の教科書を職場に持ち込み見直すこともあるそう。「吹奏楽部に所属して、他大学と交流でき視野を広げることもできました」と6年間悔いなしの笑顔を見せてくれました。

高中 敬子さん

※上記は「学部案内2013」に掲載時の情報です。

セーラー万年筆(株)
天応工場 ものづくり研究所勤務

自分の手がけた新製品が楽しみ、ものづくりの面白さを実感中。

森澤 恵子さん

2009年 生物化学工学科(現:化学生命工学科)卒業
広島市立美鈴が丘高校出身

インクに適した粘度と色の研究や
万年筆のレーザー刻印など多彩な役割

筆記具でおなじみの「セーラー万年筆」は、広島県呉市で創業した会社。昨年で100周年を迎えました。「ものづくり研究所」は製品開発の部門を担い、女性社員は森澤さんだけ。「筆記具は女性も大好きですよね。例えばインクの粘度を製品によって調整したり、新しい色づくりに取り組んだり、部品をいろいろ組み合わせて提案することもあります。女性がいないだけに期待されているのかなと責任を感じます(笑)」と森澤さん。今はフルーツのような可愛い色のインクに挑戦しているとか。万年筆の金部分にレーザーで刻印する仕事も担当。完成した製品に自分が関わっていることを実感でき、忙しいけど毎日が充実しているそうです。

専門知識や実習経験で大きく成長
一生懸命が自分に返って来る

「入社して機械や設備に触れることも、大学時代の実験・実習で慣れていました。技術の現場にはまだ女性も少ないと思いますが、ハンディはありません」と微笑む森澤さん。家でも車のライトを交換するなど、技術者として活躍中。「近畿大学工学部は先生との距離も近く、人間関係も広げやすい。ぜひその利点を生かしてください」とアドバイスしてくれました。

森澤 恵子さん

※上記は「学部案内2011/2012」に掲載時の情報です。

牛乳石鹸共進社株式会社
マーケティング部勤務

目標は100年の歴史を持つロングセラー商品を超えること。
しっかりとした思いを込めて新しい「ものづくり」をめざしたい。

後藤 隆志さん

生物化学工学科(現:化学生命工学科)2001年3月卒業
福岡県・東筑紫学園高校照曜館部出身

現在、マーケティング部に所属して商品の企画などをしています。その前は研究所にいて商品の開発にも携わっていました。大学時代から手にとって目に見える「ものづくり」に価値を感じていたので、石鹸や入浴剤など消費者の生活の一部となるものを研究・開発するという仕事内容は、まさに僕がめざすものでした。マーケティング部では実際に商品を作ることはしませんが、代わりに消費者やマーケットの動きを追うことができ、その結果がやりがいと頑張るための起爆剤にもなっています。これは持論なんですが、緻密な考え方や仕事の丁寧さなど、日本人は「ものづくり」に向いていると思うんです。自分が作ったもので喜んでほしい、幸せになってほしい、楽をしてほしい…そういう気持ちを込めて作った「もの」には本当の価値があると思います。いま担当しているのは、うちで最も有名な商品・牛乳石鹸の「赤箱」と「青箱」。発売されて100周年となる大ロングセラーですが、これをさらに超えるような新しい「もの」を作ることが目下の目標ですね。

後藤 隆志さん

※上記は「学部案内2010/11」に掲載時の情報です。

(株)ノエビア
知財・品質保証部勤務

化粧品の品質保証
女性のキレイを影から支える

上田 一美さん

2006年度 生物化学工学科(現:化学生命工学科)卒業
静岡県 浜松日体高校出



色彩や香りに興味があったという、上田さん。将来は化粧品会社で働きたいと、化学のある本工学部へ進学。「大学は薬品や機械が整っていて、実験が思う存分できた!ここで学んで、実験が大好きになりました」という。ゼミでは天然有機化学を専攻。「道ばたの植物に、実は肌をキレイにする力があったら面白いなと、思いながら実験していました(笑)」。自然への関心が高かったこともあり、数ある化粧品会社の中でも、ノエビアの企業ポリシー「自然を科学する」にひかれて就職を決めた。

現在は商標と品質保証業務を担当。自社商品が他社の商標(商品・サービスの名前やマークなど)を侵害していないか、商品の安全面・品質面はどうか…。商品は海外でも販売されるため、海外製品についても商標調査を実施。また、商品の発売後も商品に責任が持てるように、日々データ取りや情報収集を行っている。「商品を長く愛用してもらえるように、企画段階から発売後まで細かくチェックしています。常に責任感を持って仕事に臨んでいます」と話す。

もともと女性にとって興味の強い化粧品。上田さんにとっては、化粧品は興味の対象から大切な存在に変わってきたという。だからこそ、仕事がますます楽しくやりがいがあると話す。「外見をキレイにすると、内面もキレイになる!それが化粧品の魅力」と上田さん。化粧品メーカーでイキイキと働く上田さんのキレイにもますます磨きがかかる。

センパイからひと言

いろんなことに挑戦を!私は化粧品の仕事に就くため、あえて苦手な化学を選びましたが、挑戦したことで面白さを知り、夢も実現できました。どんなことでも挑戦することに価値があり、それは必ずあなたの財産になりますよ。

上田 一美さん

※上記は「comimi2010」に掲載時の情報です。

京都府 綾部市立綾部中学校勤務

中学校の教員
理科の面白さを、子どもたちに伝える!

岡田 悠海さん

2007年度 生物化学工学科(現:化学生命工学科)卒業
高知県 土佐高校出身



「大好きな理科に携わる仕事に就きたい」と、近大工学部生物化学工学科へ入学。学ぶうちに、理科好きな子どもを増やしたいと思うようになり、大学推薦を得て、京都府教員採用試験を受験し、中学校の理科教員の夢を叶えた。

今年は1年生を担任。「元気いっぱい!みんなの笑顔がパワーの源」と岡田さん。授業は学内の用具・設備や生徒の状況を見ながら実施。「いかに生徒の興味を引くかがポイント」と、授業では生徒たちに、楽しく、積極的に授業を受けてもらうため、ちょっとした小ネタを用意することも。毎回、頭をひねりながら、授業のプランをたてている。

教育学部との違いは専門性。「中学校では受験を控えているために授業が重要になると思う。その点でも、工学部で専門をきっちり勉強できたことは良かった」と岡田さん。もちろん、採用試験で必要不可欠となる教育理論などの勉強も朝から晩までみっちりしたそうで、その頃の仲間とは今も強い結束で結ばれているとのこと。岡田さんにとって大きな支えとなっている。「卒業式のとき、大変だったことも全て帳消しに(笑)。教員は大好きな理科と子どもに関われて、人間性の幅も広がる素敵な仕事!」と岡田さん。理科の面白さを、深い知識と心で伝える。

センパイからひと言

理科好きで教員をめざす人は、ぜひ近大工学部へ。中学校は後々の受験のことを考えても授業が大事!ココなら理科を専門的に学べて、将来の即戦力となりますよ。

岡田 悠海さん

※上記は「comimi2010」に掲載時の情報です。

マツダ(株) 車両開発本部
車両開発推進部 出図管理Gr.勤務

自動車の開発
世界中のクルマを愛する人たちのチカラに。

増田 朝子さん

2001年度 化学環境工学科卒業(現:化学生命工学科)
2003年度 大学院 工業技術研究科 物質化学専攻修了
広島県 進徳女子高校出身



クルマの開発は、ドアやエンジンなど、複数の部門に分かれて行われていく。こうした部門の開発成果を取りまとめ、購買部門や試作部門など、次の工程に伝えるのが増田さんの出図管理の仕事。いわば開発の最後の砦。ここでは資料の精度の高さ、クルマの基本構造や工場内での部品調達など、幅広い知識が求められる。

増田さんは現在、FORDとのジョイントプログラムを担当。FORDの製品情報をマツダのシステムに合うように変換していく作業だ。別会社となるため、ときにはアンマッチが発生することも。そんな時には増田さんの出番。相手が納得するまで根気よく説明していく。「お互いが正しい製品情報をリリースし、よりよい商品開発に貢献できることが仕事のやりがい」という。

高校時代、電車通学で「なぜ電車は動くんだろう」と疑問に思い、輸送機械に興味を持つようになった。一度は別大学の機械工学科に入学したが、これからは輸送機械も環境配慮が大事と、本工学部の化学環境工学科へ再入学。「女性なのに工学?化学系なのに輸送機械?といわれたけど、自分の信念を貫いてよかった」と増田さん。「少しでもクルマを愛する人たちのチカラになりたい」と目標を語る。

センパイからひと言

日本では家族がクルマを買う際、主婦の意見が尊重されるので、女性の視点が重要なポイントになることも。女性エンジニアの活躍が期待されています。

増田 朝子さん

※上記は「comimi2010」に掲載時の情報です。