学部長挨拶

未来に躍動する近畿大学に新たに看護学部が16番目の学部として誕生します。
50年の歴史ある医学部・近畿大学病院とともに堺市に新設されるおおさかメディカルキャンパスで新世代の看護学教育がスタートします。

グローバルレベルで経済、社会、環境は変化し続けています。急激な変化は、人々の健康と幸福(well-being)に大きな影響を与えており、未来を予測した保健医療システムを築くことが我が国のそして世界の課題となっています。特に生活と健康課題は複雑に絡み合っており、その解決の糸口を個々人やコミュニティの人々と共に見出し、最善の健康を共に創る保健医療が求められます。看護職は、最前線で人々とパートナーシップを築き、より健やかな状態へと導く伴走者といえます。

近畿大学は、「実学教育と人格の陶冶」を建学の精神とし、今まさに社会に求められている「人に愛され、信頼され、尊敬される人の育成」を教育理念としています。看護学部はこれらを礎に、多様な健康課題に確かな看護実践力と組織的アプローチで対応し、未来にむけて社会に貢献できる「人に愛され、信頼され、尊敬される」看護職の育成を使命としています。

看護学部のカリキュラムでは、文部科学省による看護学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方を基盤に、時代の変化に対応して自ら課題を設定し、論理的思考力、コミュニケーション能力等によって、新たな価値やビジョンを創造し、積極的に社会を改善していく資質・能力を有する人材の育成に取り組みます。そのために、次のような教育の特徴を取り入れています。

  1. 総合大学の強みを生かし、全学共通科目や他学部との教育連携による文理融合教育を進め多様性をもつ豊かな人間力を培うとともに、地域フィールド学修により、多様な人々との関係性を構築し、主体性と柔軟性をもって実臨床や社会における健康課題に対応するスキルを磨きます。
  2. 多様な状況において的確な臨床判断による最適な看護を実践できる能力を獲得するために、課題探索型学習やICT・AIを効果的に用いた学習者主体の教育を進めます。
  3. 探求し社会に貢献できる力を身に着けるために、「医療イノベーション学」や「共創看護学」などの科目を設け、実社会において行動をおこす考え方や方略、コミュニティにおける連携・協働の体験学修を重視しています。
  4. 看護に関わるあらゆる人々に対し、敬意をもって信頼関係を創り、共創できる能力を育成するために、異文化・対人関係に関する科目や多職種連携教育によりコミュニケーション能力を養います。
  5. 社会の変化に主体的に対応できる能力や創造性、自ら学ぶ意欲を培うために、プロフェッショナリズムとボランタリズムの涵養をめざします。そのために、eポートフォリオによって学修成果を可視化し自身のキャリア開発を初学年から行い、あわせて、ボランティア活動を自ら学ぶ「サービスラーニング」を選択科目に位置づけ積極的に進めます。

看護学を学ぶ人々の未来は幅広い多様性に満ちています。看護学部は、その未来を自身で網の目のように紡いでいくことのできる魅力的な学び舎です。

学部長

小松 浩子
HIROKO KOMATSU
看護学部 学部長就任予定者