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整形外科学教室 助教 墳本一郎 第46回日本関節病学会学術集会奨励賞 受賞!

2018.11.14

11月9日と10日に岡山市で開催された第46回日本関節病学会で整形外科学教室 助教 墳本一郎先生が報告を行い、第46回日本関節病学会学術集会奨励賞を受賞致しました。

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報告の内容を簡単にご紹介致します。

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既に超高齢化社会が到来し、人工膝関節置換術の施行件数は益々増加しています。
膝関節は外側区画と内側区画の2区画に分かれます。
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変形や軟骨の摩耗が、外側区画か内側区画のどちらかに限局している症例(左)においても、従来は内側区画と外側区画の両方を人工関節に置き換える全置換術(右)が施行されていました。
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15年以上前より、近畿大学整形外科では、変形している区画のみを人工関節に置き換える低侵襲な単顆型置換術(unicompartmental knee arthroplasty: UKA)を積極的に施行してきました。
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全置換術、単顆型置換術のどちらの手術においても、膝関節屈伸運動の回転軸に対して垂直に人工関節を設置することが、インプラントの十分な耐久力を得る為に重要です。
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全置換術においては、この回転軸を正確に同定する手法を当院整形外科/人工関節センターの赤木將男主任教授が2004年に発見し、現在世界中で使用されています(Akagi M, et al. Clin Orthop Relat Res. 2004;420:213-9.)。
しかし、単顆型置換術の手術野は全置換術よりも狭く、回転軸を同定する方法が長年見つかっていませんでした。2017年に、当院整形外科/人工関節センターの墳本一郎助教が単顆型置換術の狭い術野で回転軸を同定する方法を新に発見し、米国股関節膝関節外科学会(AAHKS)学会誌に発表しました(Tsukamoto I, Akagi M, et al. J Arthroplasty.2017.32(10) :3169-75.)。
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そして、この新しい手法を用いて当院で施行された単顆型置換術の術後CTを調査したこところ、実際にインプラントが、回転軸に対して垂直に設置されていることが明らかとなりました。