2016年度文化資源学的アクティビティ(活動)紹介

2017.04.18

  • 文歴

≪和歌山の民俗調査2016(「民俗学実習」、担当:藤井弘章)≫

2016年度も昨年と同じく、和歌山県紀美野町を訪れました。今年度も紀美野町の民俗に関するさまざまな聞き取りをさせていただきました。たとえば、紀美野町ではハゼの実を採取して、和ろうそくの原料としてきました。今ではごくわずかな家で採取しているだけですが、ハゼの木はあちこちに残っています。そうしたハゼの木を見学し、お話をうかがいました。シュロ産業についての聞き取りもおこないました。1月には西野集会所において、七草粥と小豆粥を振る舞っていただきました。第二次大戦において、インパール作戦に従軍した方から、戦争についての聞き取りもおこないました。9月には高野山の見学もおこなしました。今年度は担当の藤井のほか、上田先生も引率しました。また、非常勤講師の櫻木潤先生も同行してくれました。

【年月日:2016年9月5日~7日、2017年1月5日~6日】
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和歌山の民俗調査2016和歌山の民俗調査2016


≪心合寺山古墳・愛宕塚古墳の現地調査と八尾市立歴史民俗資料館の見学(考古学ゼミ、担当:網伸也)≫

考古学ゼミの現地調査として、今年度は心合寺山古墳・愛宕塚古墳と八尾市立歴史民俗資料館を訪問しました。心合寺山古墳は古墳時代中期初めに造営された中河内最大の前方後円墳で、古墳は史跡公園として整備され、ガイダンス施設として八尾市立しおんじやま古墳学習館が古墳公園に併設しています。現地では古墳の上へ実際に登り、古墳の大きさを体感するとともに学習館で古墳の概要を学びました。また、愛宕塚古墳は古墳時代後期の円墳で大阪府下でも最大級の横穴式石室が残っています。現地では横穴式石室に実際に入って石室の大きさを確認し、墳丘上に登って心合寺山古墳を眺望しました。そして、最後に訪問した八尾市立歴史民俗資料館では、学芸員のかたから展示の解説をしていただき、河内木綿の撚糸体験もさせていただきました。

【年月日:2016年7月3日】
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心合寺山古墳・愛宕塚古墳の現地調査と八尾市立歴史民俗資料館の見学心合寺山古墳・愛宕塚古墳の現地調査と八尾市立歴史民俗資料館の見学


≪山畑古墳群と東大阪市立郷土博物館の現地研修(「基礎研究」、担当:網伸也)≫

今年度も考古学の基礎研究として、山畑古墳群の探索と東大阪市立郷土博物館での現地研修を行いました。天気にも恵まれ、少し汗をかきながら瓢箪山稲荷神社から坂道を登り、山畑古墳群の立地を体感しながら東大阪市立郷土博物館を目指しました。博物館では例年通り、博物館の学芸員のかたから学芸員の仕事や博物館の運営についてのレクチャーを受け、展示室では展示品の解説や特別展示の見どころなどを伺うことができました。また、博物館の屋外展示である山畑22号墳の横穴式石室に入って、古墳の石室がどのような構造になっているのか調べてみたり、博物館から大阪平野を見渡して大阪の地形を考えたり、みんなで歴史を肌で感じる良い機会となりました。

【年月日:2016年11月29日】
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山畑古墳群と東大阪市立郷土博物館の現地研修若江地区の文化資源探索・調査(担当:網伸也)


≪由義寺跡の発掘調査現場の見学(「考古学講読」「考古学実習」、担当:網伸也)≫

公益財団法人八尾市文化財調査研究会が実施した東弓削遺跡の見学を、考古学講読および考古学実習の受講生で行いました。東弓削遺跡では、一辺20mあまりの奈良時代の方形建物基壇が発見されて話題となり、道鏡ゆかりの由義寺の塔跡ではないかと考えられています。発掘調査に参加していた文化・歴史学科の考古学専攻生から説明を受け、古代の建物基壇の構築方法や遺跡の重要性をみんなで理解することができました。また、建物の地鎮に使用された銅銭(和同開珎・萬年通寶・神功開寶)や、佐波理椀などの出土品を間近で見学させていただき、古代のロマンを感じるすばらしい一日となりました。

【年月日:2017年1月27日】
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由義寺跡の発掘調査現場の見学

≪神戸の様々な宗教施設の見学(「基礎ゼミ」、担当:図師宣忠、辻河典子)≫

西洋史に関心のある学生が中心に集まる2つの基礎ゼミが合同で、神戸市中央区にあるキリスト教(カトリック、プロテスタント(バプテスト)、ロシア正教)の教会、ユダヤ教のシナゴーグ、イスラーム教のモスク、ジャイナ教の寺院を歩いて巡りました。シナゴーグや日曜学校などが行われていたキリスト教の各教会は外からの見学にとどめましたが、モスクとジャイナ教の寺院では内部も見学しました(神戸ムスリムモスクではスタッフの方から説明も伺いました)。
多様な宗教の施設が徒歩圏内で共存している様子を興味深く感じた学生も多かったようです。米軍基地や外国人労働者の多い地域で育った学生たちが出身地での多文化共生の状況と比較して話をしてくれる場面もあり、西洋史と現代日本とのつながりを考える貴重な機会となりました。

【年月日:2016年5月29日】
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神戸の様々な宗教施設の見学神戸の様々な宗教施設の見学神戸の様々な宗教施設の見学

≪文化探索実習2016・パンフレット「古代の小若江と旧長瀬川流域」作成(担当:網伸也・藤井弘章・上田貴子)≫

今年度は近畿大学構内遺跡と長瀬周辺にスポットをあてて、学生とともに文化資源を探索し、「東大阪と中河内の文化資源3 近畿大学周辺の歴史と文化 古代の小若江と旧長瀬川流域」というパンフレットを作成しました。近畿大学の構内には、学史的に有名な小若江遺跡のほか、弥生時代から古墳時代の墳墓が作られた山賀遺跡が所在します。パンフレットでは近畿大学が発掘調査を行ったこれらの遺跡を紹介するとともに、旧長瀬川流域を探索して長瀬神社や衣摺の戦いなどについて調べました。また、近鉄長瀬駅から近畿大学へと続く商店街の古写真と今を比較し、学生たちを長く見守ってきた街の歴史を再認識しました。作成したパンフレットは、東大阪市教育委員会事務局社会教育部文化財課の委託を受けて発行しました。

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文化探索実習2016・パンフレット「古代の小若江と旧長瀬川流域」作成文化探索実習2016・パンフレット「古代の小若江と旧長瀬川流域」作成


≪文化資源学自由研究 2016(「文化資源学自由研究」、担当:白水士郎)≫

「文化資源学自由研究」は、学生自身が自由に研究テーマを設定して、最後に研究成果を発表するという授業です。2016年度は、合計12人の学生が以下のような課題に取り組みました。

  • 「ばんば踊り」のルーツと発展
  • 友ヶ島から考える廃墟の文化資源的活用
  • 「刀剣乱舞」の流行と神社・博物館の振興について
  • 水俣病 ~60年を経て~
  • 蕪島神社の信仰と海上安全
  • プロ野球独立リーグと地域のかかわりについて
  • 日本の農業の問題の分析と未来への提言
  • 世界農業遺産について ―高千穂郷・椎葉山地域―
  • ヘゲモニックアイドル論の射程
  • 廃線になった路線のその後の取り組み

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    文化資源学自由研究発表会パンフレット