2013年度文化資源学的アクティビティ(活動)紹介

2014.04.01

  • 文歴

≪和歌山の民俗調査2013(「民俗学実習」、担当:藤井弘章)≫

img_resources_activity_2013_001.png夏季休暇や冬季休暇を利用して和歌山県の農山村(紀美野町)を訪れ、現地の方に地域の民俗について聞き取り調査をしました。生業、年中行事、信仰、衣食住、人生儀礼などをテーマにしました。
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自分のテーマを決めて現地で聞き取りをすることが、農山村を体で感じる貴重な機会になっています。農山村の伝統的な風習を記録するだけでなく、自然や人々の温かさに触れ、農山村が抱えている問題についても肌で感じることで、大学内での授業では得られない体験ができました。
img_resources_activity_2013_003.png今年度も、授業受講者以外も多数参加しました。人とのコミュニケーションの取り方を学んだだけではなく、卒論に向けてのテーマを考えるきっかけになったようです。2013年度は担当の藤井のほか、上田先生も引率しました。宿泊はセミナーハウス未来塾という施設を利用しています。廃校になった小学校を利用した施設です。

【年月日:2013年9月10日~12日、2014年1月7日~8日】

≪八尾市の民俗調査(「民俗学実習」・八尾市史編纂室合同調査、担当:藤井弘章)≫

img_resources_activity_2013_004.png夏季休暇や冬季休暇を利用して和歌山県の農山村(紀美野町)を訪れ、現地の方に地域の民俗について聞き取り調査をしました。生業、年中行事、信仰、衣食住、人生儀礼などをテーマにしました。
img_resources_activity_2013_005.png2012年度は服部川地区、2013年度は萱振地区などで実施しました。
萱振地区は、中世に形成された寺内町です。八尾市には八尾、久宝寺、萱振という3つの寺内町があります。八尾、久宝寺については、文化探索実習などで探索してきました。今回は、萱振地区について、八尾市の民俗調査と合同の形で、調査をおこないました。

【年月日:2013年9月5・6日】

≪「卑弥呼の時代の近畿大学」展示作成(担当:網伸也)≫

img_resources_activity_2013_006.png近畿大学東大阪キャンパス内には、「小若江遺跡」と「山賀遺跡」という全国的にも有名な遺跡があります。とくに、小若江遺跡から出土した土器は、古墳時代の土器研究に大きく寄与した重要な資料で、東大阪市指定文化財に指定されました。また、構内の校舎建設に先立って発掘調査も継続的に行われており、弥生時代から中世にいたる多くの遺跡や遺物が発見され、指定文化財とともに現在近畿大学で保管所蔵しています。
img_resources_activity_2013_007.pngこれら考古遺産を身近に感じることができるように、文芸学部棟(A館)1階ロビーに設けた展示スペースに構内遺跡から出土した遺物を展示し、年表と解説文を作って小展示会を行っています。
平成25年度のテーマは「卑弥呼の時代の近畿大学」で、弥生時代の終わりから古墳時代初めの土器を中心に展示しました。展示作業には「考古学実習」の受講生たちが参加しました。

【年月日:2013年7月20日】

≪奄美大島合宿2013(担当:清眞人・図師宣忠)≫

img_resources_activity_2013_008.png奄美の自然・文化・歴史を満喫する文化資源学の実践的アプローチとして、今年も鹿児島県奄美大島で合宿を実施しました。
マングローブ原生林でのカヌー探検、シュノーケリングや海釣り、妖怪ケンムンに関する聞き取り、島唄や八月踊りの練習への参加、塩作りの工房や近大マグロ養殖場の見学など、多彩なプログラムによって奄美を多角的に読み解く取り組みを進めています。奄美に暮らすみなさん(奄美で生まれ育った方々だけでなくUターンやIターンの人たち)との交流を通じて、近大生の目線で奄美の魅力を再発見し、エコツアーを企画して奄美の観光に活かしていきます。

【年月日:2013年9月】

≪文化資源学自由研究 2013(「文化資源学自由研究」、担当:白水士郎≫


2013年度から「文化資源学自由研究」という新しい科目を開始しました。学生自身が自由に研究テーマを設定して、最後に研究成果を発表するという内容です。

まず、テーマを決めて、研究計画を立て、7月に計画書を提出します。指導を希望する教員を、文化・歴史学科の中から自由に選びます。教員に相談しながら、夏季休暇などを利用して調べ物をします。教員には何度も指導を受けながら研究成果をまとめていき、12月にほかの教員や学生の前で研究成果を発表します。

2013年度は、NHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」に登場する「まめぶ」という岩手県の郷土料理について調べた学生がいました。もともとの郷土料理が、東日本大震災で広く食べられるようになり、ドラマを通じで全国的に知られるようになった、という調査と研究の成果を、パワーポイントと冊子形式でまとめていました。

≪古代の青銅器作りを体験する(担当:網伸也)≫

img_resources_activity_2013_009.png近畿大学がある東大阪市は、大阪のものづくりの拠点です。上田合金(銅合金製品を作る会社、社長上田富雄さん)は、ものづくりの技術を生かして長年古代の青銅製品の復元を試みている会社です。文芸学部にも平原遺跡出土の大型内行花文鏡の複製や、加茂岩倉遺跡出土の銅鐸の複製などを寄贈していただき、考古学の講義に役立てています。

img_resources_activity_2013_010.png考古学関係の授業を受講する学生を中心に、ここで弥生時代の青銅器や古墳時代の鏡作りを体験させていただきました。鋳型を自ら製作し、型の中に熱した銅合金を流し込む作業を体験したことで、古代の青銅製品作りの技術に迫る新たな視点が生まれました。

体験学習をサポートしてくださり、文化・歴史学科講演会でもお話しいただいた上田富雄さんが2015年1月に亡くなりました。心からご冥福をお祈りいたします。
【年月日:2013年11月16日】

≪八尾市と大阪市の文化探索(「文化探索実習」、担当:藤井弘章・図師宣忠)≫

img_resources_activity_2013_011.png近畿大学の南東に広がる八尾市は、古くからの歴史が残る町です。他方、大学の東に広がる大阪市には、現代都市の中枢部があります。歴史的な町並みを残した八尾市の寺内町、都会の雰囲気を味わえる大阪市の難波の2か所を選んで、学生とともに歩いてみました。

img_resources_activity_2013_012.png学生たちは、街歩きのなかで関心のあるテーマを見つけ出し、各自で探索結果をまとめて発表しました。八尾市内の寺内町、八尾市内における水路の活用、八尾市と神戸市の商店街の比較、エスニック料理、街中のモニュメントなど多様なテーマが出てきました。たとえば、世界史に関心のある学生は、エスニック料理について探索しました。八尾のイタリア料理店、大阪市鶴橋の韓国料理店、難波のタイ料理店を訪ねて、まとめました。

【年月日:八尾市八尾の探索 2013年10月、大阪市難波の探索 2013年12月3日】