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ニュースリリース

植物発酵エキス「OM-X」に筋持久力向上効果を発見!近畿大学農学部水産学科講師・伊藤智広らの研究成果

2015年3月24日

近畿大学農学部(奈良県奈良市)水産学科講師・伊藤智広らの研究グループは、株式会社バイオバンク (岡山県岡山市)との共同研究により、野菜や果実などを発酵させたエキス(商品名:OM-X、オーエムエックス)が、疲労軽減と筋持久力の向上に役立つことを新しく発見しました。

【本件のポイント】

●植物発酵エキス「OM-X」を投与すると、マウスに抗疲労作用が認められた
●マウスの脂質代謝促進作用、マウスの生体内の酸化傷害抑制作用、疲労原因物質の分解促進作用が認められた
●抗疲労作用を有する食品やサプリメントへの応用に期待

【本研究の概要】

株式会社バイオバンクは、野菜や果物、海藻、茸類などを乳酸菌で長期間発酵・熟成させた植物発酵エキス「OM-X」を製造し、カプセル化した製品をサプリメントとして世界各国で販売しています。

伊藤らの研究グループは、「OM-X」が持つ高い抗酸化作用と、ユーザーからの「疲れを感じにくくなった」といったアンケート結果を参考に、酸化ストレスによって引き起こされる「疲労」に対する効果を期待し、マウスを用いた強制水泳試験を行いました。

その結果、「OM-X」を投与したマウスは、投与していない方と比較して、水泳の持続時間が約2倍となり、血清および肝臓の脂質成分濃度(コレステロール、中性脂肪、リン脂質)が減少し、疲労物質であるアンモニアを代謝するオルニチン回路で作用する酵素の遺伝子発現も上昇しました。これらの研究成果により、「OM-X」は疲労の軽減や運動能力の向上に役立つことが期待されます。

なお、本研究に関する研究成果は、平成27年(2015年)3月26日~29日に岡山大学で行われる日本農芸化学会2015年度大会 にて、3月28日(土)に発表を予定しています。

【研究の手順】

図1 マウスの水泳時間の比較

近畿大学農学部講師・伊藤智広と株式会社バイオバンクは、植物発酵エキス「OM-X」が持つ高い抗酸化作用と酸化ストレスによって引き起こされる「疲労」に対する効果を期待し、マウスを用いた強制水泳試験を行いました。

「OM-X」を投与するグループと無投与グループの2つに分け、投与グループには「OM-X」を4週間連続で与えました。投与グループのマウスは、「OM-X」投与開始から試験終了の4週目までの各週に強制水泳試験を行い、マウスの鼻先が水面下に7秒以上水没した時点までの時間を計測しました。その結果、投与グループのマウスは無投与グループと比較して、水泳持続時間が約2倍になり、運動能力(筋持久力)の向上が認められました(図1)。

また、4週目の強制水泳試験終了後、マウスの血清成分分析を行いました。すると、「OM-X」投与グループのマウスでは、血清および肝臓の脂質成分濃度(コレステロール、中性脂肪、リン脂質)が減少しており、運動中に脂肪をエネルギーとして利用していることが認められました。加えて血清中の乳酸量も減少しており、激しい運動をしている最中に乳酸をエネルギー源として再利用していることが考えられました。

図2 マウス肝臓の代謝酵素発現量の比較

さらに、疲労の原因となるアンモニアを解毒する作用を持つ酵素Arg1とCps1の遺伝子の発現についても調べたところ、「OM-X」投与グループで多くの発現量が確認されました(図2)。

以上の結果から、「OM-X」を摂取させたマウスは疲労蓄積が軽減され、運動を持続できる時間が延長したと考えられました。この研究成果により、「OM-X」は疲労の軽減や運動能力の向上に役立つ食品・素材であることが示されました。

【今後の展開】

日本で疲労感を自覚している人の割合は就労人口の約60%で、その半数が半年以上続く慢性的(6ヶ月以上)な疲労に悩んでいるといわれています(1)。現在では疲労回復に関する数多くの研究がすすめられており、鶏胸肉のイミダゾールペプチドや魚肉のアスタキサンチンなどの天然成分が有用である、という研究報告はこれまでにも出されています(2・3)

今後、今回の研究成果である「肝臓における代謝および解毒機能の促進」と「運動能力(筋持久力)の向上」という性質を用いた、抗疲労作用を有する食品やサプリメントの開発が期待されます。

(参考文献)

  • 1) 厚生科学研究費補助金健康科学総合研究事業「疲労の実態調査と健康づくりのための疲労回復に関する研究」平成11年度研究業績報告書 p19-44
  • 2) 日本補完代替医療学会誌 6, p123-129 (2009)
  • 3) 臨床医薬 18, p1085 (2002)

【伊藤智広講師 プロフィール】

伊藤智広講師

■氏 名 : 伊藤 智広(いとう ともひろ)
■所 属 : 近畿大学農学部水産学科 水産利用学研究室
■経 歴 :
平成10年(1998年)  農林水産省管轄国立水産大学校 卒業
平成10年(1998年)~ 井村屋製菓株式会社中央研究所 研究員
平成18年(2006年)~ 財団法人岐阜県国際バイオ研究所健康有用物質研究部
               専門研究員
平成19年(2007年)~ 財団法人岐阜県国際バイオ研究所健康有用物質研究部
               専任研究員
平成23年(2011年)~ 近畿大学農学部水産学科 講師  現在に至る

【株式会社バイオバンク】

■ 社     名  : 株式会社バイオバンク
■ 本社所在地  : 〒700-0952 岡山県岡山市北区平田388番地1 TEL (086)239-4141
■代表取締役社長 : 大平 真澄(おおひら ますみ)
■ 設     立  : 昭和49年(1974年)6月22日
■ 資  本  金  : 1,000万円(バイオバンクグループ4,500万円)
■ 従  業  員  : 15名(バイオバンクグループ20名)
■ 主な事業内容 : 乳酸菌利用製品の研究・開発・販売
             http://www.omx.co.jp/ 

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