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ニュースリリース

近畿大学・(株)ナニワ炉機研究所 初の実用タイプ「バイオコークス」製造装置を開発

2010年4月27日

 植物由来の次世代バイオ・リサイクル燃料「バイオコークス」の開発を進めている近畿大学(本部:大阪府東大阪市、学長:畑博行)では、理工学部機械工学科・井田民男准教授の研究チームが、鋳鉄溶解プラント専門メーカーの株式会社ナニワ炉機研究所(大阪府東大阪市、代表取締役:村田悦夫)と共同で、実用(商用)タイプのバイオコークス製造装置を初めて開発し、実証運転を開始しました。経済産業省「平成21年度ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)」の採択を受け、実施しています。  

 近畿大学では従来、北海道恵庭市のバイオコークス量産実証実験センターに2008年4月に設置した製造装置(試験機)を用い、さまざまな実証試験に使用するバイオコークスを製造するとともに、自動車部品メーカーの実用鋳鉄炉などでの溶解実験を重ねた結果、バイオコークスが石炭コークスの代替燃料として産業現場で利用可能な品質を備えることをすでに実証しています。
 また2009年11月には、札幌市の車体メーカーと共同でコンパクトな車載型の製造装置を開発し、北海道下川町で、町内に自生する植物(バイオマス)を収集してバイオコークス化し、ビニールハウスの暖房に活用するプロジェクトを進めています。

 今回、開発されたバイオコークス製造装置は、次の目的である実用(商用)機の開発へ向けたモデル機の位置付けです。従来の試験機より自動運転性能を高めるとともに、製造動力を低減させました。恵庭市にある試験機の約4倍の製造能力を備え、10時間連続操業で約400kg、24時間で約1トンのバイオコークスを製造できます。これまでは人力でバイオマス(バイオコークス原料)を製造装置に供給していたところを全自動に変え、24時間連続の自動運転を可能としました。
 原料となるバイオマスに加圧・加熱する円筒形の「反応器」は4基あり、そこで成形されるバイオコークスは1本あたり長さ約100cm、直径約10cm、重さ約10kgの円筒形となります。

 新型製造装置は現在、(株)ナニワ炉機研究所東大阪工場に設置し、実証試験を行っています。今後、バイオコークスの大量製造を開始し、バイオコークスの産業利用へ向け、さまざまな実炉試験・燃焼試験に使用する予定です。さらに、(株)ナニワ炉機研究所では、この製造装置の実証運転データを蓄積し、実用(商用)機の設計・開発を推進していく方針です。実用(商用)機は反応器48基を想定しており、今回の製造装置の12倍の規模となります。

 バイオコークス産業化の最大のターゲットは、二酸化炭素等の地球温暖化ガス削減を図る鋳物関連業界です。そのためには、(1) 原料となるバイオマス (2) 実用レベルのバイオコークス製造装置 (3) 鋳物業界などでのバイオコークスの活用ニーズ――が必要となります。今回、このうち(2) のモデル機が完成し、(1) と(3) については、近畿大学が関係各方面との交渉を進めています。

新型バイオコークス製造装置の概要

・ 製造方法 : 反応容器式
・ 製造能力 : 約1トン/24時間
・ 反応容器数 : 4基
・ 加熱方式 : 熱冷媒式(Max:230度)
・ 加圧方式 : 油圧式(通常:21MPa)

参考資料

 バイオコークスとは (右の図を参照)
  • バイオコークスは、飲料工場から大量に排出・廃棄されている「茶かす」をはじめ、ほぼ全ての光合成由来バイオマスから製造可能で、製鉄・鋳造炉で燃料として使われる石炭コークスの代替となる、新しい固形燃料です。
  • 石炭コークスの課題である化石燃料依存(=天然資源枯渇)や輸入価格変動のリスクを解決する、まったく新しい国産エネルギーとして期待を集めています。
  • また、(1) 原料の100%を活用できる(製造時に新たな廃棄物が出ない=ゼロ・エミッション) (2) 石炭コークスよりCO2排出量を削減できる(植物由来のため排出量はゼロカウント) (3) 食糧や飼料を原料として消費せずに済む(ほぼすべての植物由来廃棄物が原料になる)――という利点があります。
  • 石炭コークスの代替だけでなく、家庭用燃料を含む、さまざまな用途に活用できる可能性が高いとみられています。
  • 近畿大学は2008年4月、北海道恵庭市に「近畿大学バイオコークス量産実証実験センター」を開設し、基礎研究と実用炉での実証試験に使うバイオコークスを製造しています。
  • 近畿大学は2008年4〜7月、(株)豊田自動織機の東知多工場(愛知県)で、自動車エンジン部品を製造するキュポラ炉での実証試験を行い、バイオコークスが石炭コークスの11.4%を代替(製品製造工程への影響なし)することを確認しました。
  • 現在、近畿大学では、バイオコークスを開発した理工学部・井田民男准教授のチームが、民間企業と連携しながら、バイオコークス量産機の開発を進めています。また、国内外のさまざまな原料からのバイオコークス製造を模索しているほか、製鉄・鋳鉄工程(石炭コークス代替)以外の用途にも活用できるよう、官民と協力して研究開発を進めています。

近畿大学ホームページ バイオコークス紹介ページ

http://www.kindai.ac.jp/bio-coke/


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