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研究テーマ3省電力素材としての高効率外場応答性素子の開発

目的

通信機器や情報端末における消費電力を低減することはエネルギー利用の枠組みを変えるほどの効果が見込まれる。情報記憶や画像表示を担う最小単位は分子であり、分子を光などの外場によって制御することは究極の省電力素子の実現につながる。本研究では、微小なエネルギーで分子の持つ情報を変換可能な高効率外場応答性素子の開発を行う。そのため、固体物理・理論化学・有機化学に基づいた高変換効率/高発光効率を有する色素分子の設計および合成をおこない、さらに磁性金属イオンへの配位能を導入することで、最終的に光磁気機能を有する高効率外場応答性素子の開発を目指す。実際の素子の動作性能は物理化学、表面科学、分光学分野の知見を基に検証し、動作機構の解明をおこなう。

研究内容

本研究テーマにおいては、高い発光効率を有する蛍光発光性分子を新たに開発するとともに、スピン転移を起こす金属錯体における転移温度の高温化を目指す。さらに、発光性分子を磁性金属イオン近傍に緩やかに配位させることで金属錯体の持つ特異な磁性を、光により制御できる新たな複合機能性素子の開発を行う。具体的には以下に示す通り、(1) 発光材料グループと (2) 磁性錯体グループが、協力し補間しながら研究を進める。

(1) では、高い発光効率を有する斬新な構造のキラルな色素分子を開発し、その発光特性を明らかにすると共に、円偏光発光 (CPL) 特性の制御を目指す。無機ナノ蛍光体においては、ナノサイズでの精密構造制御による発光効率の向上をおこなう。

(2) では、鉄スピンクロスオーバー (SCO) 錯体の構造と磁気特性の関連を調べ、転移温度の高温化につなげる。また、テラヘルツ分光を活用して、分子間相互作用がヒステリシスに及ぼす効果を明らかにする。  低温で光誘起スピン転移現象を示す錯体について、その転移温度の高温化に向けた物質探索を行う。さらに、(1) で得られた高効率発光性分子材料を SCO 錯体や単分子磁石に導入することにより、発光性 SCO 錯体や、発光性単分子磁石などの新規な複合機能を有する超分子集積型金属錯体を創発する。

分子駆動型省電力素子の開発

期待される成果

本研究により無機ナノ蛍光体をナノサイズで精密に構造制御することができれば発光効率の大幅な向上が期待でき、省電力・省エネルギーに大きく貢献できるばかりでなく,学術的価値も非常に高いものとなる。CPLは、高輝度液晶ディスプレイの偏光光源をはじめ、3次元ディスプレイなどの高度な光情報プロセシングに利用でき、本円偏光発光性集積体は、従来の円偏光フィルターを用いない、省エネルギー型光情報機能分子素子として、確実に発展が期待される。また、室温での急峻なスピン転移挙動を示すSCO錯体や光磁気特性を有する新規な複合機能性材料体の開発は、室温動作メモリー素子や高密度記憶・高密度画像表示素子としての応用が期待され、デバイスの小型化に伴う究極の省電力素子として期待される。研究成果は、国際的学術誌および国際会議等で発表する。

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