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ホーム > 研究組織 > 偏光素子と可視近赤外光制御技術の開発 (研究者 : 若林 知成)

研究テーマ3偏光素子と可視近赤外光制御技術の開発

研究者 : 若林 知成

所属 : 総合理工学研究科理学専攻(機能性分子化学分野)
職位 : 教授

 光学制御技術の発達によって高度経済成長期から社会を支えてきた電子制御技術に新たな機能的側面が加わっていまや、多彩な光学機器が日常に入り込んで人類の生活環境を豊かに演出している。とりわけ発達の目覚しい研究領域のひとつが透過率の高い近赤外領域の光、つまり可視光より波長が長く目に見えない光の利用である。光通信においてはすでに、1.5ミクロンの波長帯が主流となり、長距離の情報伝達にその威力を発揮している。
 光応答性の分子素子を開発するにあたって新 規に作製した材料がどの分子構造あるいは分子間相互作用をもつのか、その特徴を明らかにすることは分子素子としての機能を引き出すうえで重要である。現在開発に取り組んでいる近赤外領域の分光システムは、従来、蛍光による阻害のために測定が難しかった分子の振動ラマンスペクトルを高感度に検出することを可能にすることから、分子材料の構造制御や分子間相互作用の解明に役立つことが期待される。反応活性種であるカチオンラジカルの検出は共同研究が進行中である。また、ビスマスに代表される重元素のクラスターにおいては、その複雑な低エネルギー励起状態からの電子遷移による近赤外発光が確認されている[1]。さらに、ポリイン分子のような高度な異方性をもつ分子を固体中に配向整列させることで、特定の偏光成分のみを吸収あるいは放出する素子が実現するかもしれない[2,3]。本プロジェクトでは、様々な波長の光を用いて分子や原子クラスターを励起状態に導いた際に、どのような経路からエネルギーの放出や散逸が起こるのかを明らかにし、情報記憶やスイッチング機能に必要なコヒーレンスの制御を可能にするための研究を行う。窒素内包フラーレンの生成と高純度化にはすでに目途がたっており、電子スピン状態のコヒーレンス制御に関する研究はすでに端緒についている[4]。

図1.ビスマス三量体Bi3の近赤外発光スペクトル[1].

図2.窒素内包フラーレンN@C60のESR[4].

【参考論文】
[1] T. Wakabayashi, M. Tomioka, Y. Wada 他, Eur. Phys. J. D 67 (2013) 36.
[2] Y. Wada, Y. Morisawa, and T. Wakabayashi, Chem. Phys. Lett. 541 (2012) 54.
[3] T. Wakabayashi, Y. Wada, N. Iwahara, and T. Sato, J. Phys. Conf. Ser. 428 (2013) 012004.
[4] T. Wakabayashi, in Kinki University Series on Quantum Computing Vol. 2, Molecular Realizations of Quantum Computing 2007, M. Nakahara ed., World Scientific (2009) 163.
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