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2018.6.13
近畿大学法科大学院の学生募集停止について

重要

 

 近畿大学法科大学院は、司法制度改革の一環として法曹養成制度が改正されたのに伴い、専門職大学院として平成16年度に開設され、平成18年の新司法試験の施行以来、これまでに56名の合格者を輩出し、司法制度改革において求められた新時代を担う法曹養成の一端を担う教育機関として、その任務を遂行してきました。

 ところが、司法試験合格率が低水準で推移する一方、予備試験を経て司法試験を受験することができるよう制度が改正されたり、司法試験合格者数を年間3千人に増加させるという新司法試験制度発足当初の目標が撤回され、平成29年司法試験においては合格者数が1500人台にまで減少したりするなど、法科大学院を巡る状況が設置当時、予想されたものとは著しく異なるに至りました。

 この間、法科大学院志願者の減少傾向はとどまるところを知らず、本法科大学院においても開設当初の入学定員60名を平成30年度には20名まで減らし、また平成30年度の入学者数においては過去最低の5名という定員の半数にも満たない結果となりました。また、司法試験においては、法曹の人材を多方面に求めるという司法制度改革の理念に忠実に、法学未修者の教育に重点を置いてきましたが、平成25年からの司法試験合格率が全国平均の半分以下の状況が続くこととなり、本法科大学院修了生の司法試験合格者数が伸び悩む結果となりました。

 本法科大学院においては、こうした事態に直面して、教員、事務職員をはじめ人的物的資源を総動員し、これまで以上の真摯さで、また、創意工夫を重ねて、在学生の教育はもとより、修了生支援の強化にも努めてきましたが、法科大学院を巡る状況の変転は急激に過ぎ、入学者数及び合格者数ないし合格率の劣勢を挽回したといえるほどの成果を上げ得たとの確信には至っていません。

 以上の経過を踏まえ、本法科大学院が今後も法曹養成の一端を担い続けるべきかを反芻するとき、法曹養成の任務を、苦境の中なお奮闘を続ける他の法科大学院に託すのも賢明な選択肢の一と思料され、この際、平成31年度入試を実施しないことと決しました。本法科大学院が設置以来、学内外から頂戴したご恩顧を振り返るならば、このように申し述べるのは甚だ遺憾に存じますが、関係各位におかれては、本法科大学院ひいては法曹養成制度の現状についてご賢察のうえ、ご理解とご海容を賜りますよう、また、現在、在籍する学生には、司法試験に耐える学力を修得させるよう教育を施し、修了生についても、学修環境を整備して支援を怠らないよう努めること、従前に変わらない取組みを継続する所存でおりますので、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますよう願いあげる次第です。

2018年6月13日
法科大学院長 山本雅昭

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