土屋孝次学部長から、2018年度のご挨拶を申し上げます。

2018.04.01

2018年度の開始にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。

我々が所属する近畿大学法学部の歴史は、1925年、旧制の専門学校法学科として設立されたのを始まりとします。その後、戦後の学制改革を経て1950年には現在の名称である近畿大学法学部として設置認可を受けました。

この様に、法学部は旧制専門学校以来90年以上、学部としても70年近い歴史を誇ります。この間、法学部は数多くの卒業生を法曹界、実業界、その他の分野へと送り出しており、各界からの評価を受けてきております。

もっとも現在の近畿大学法学部は、その長い歴史と実績に安住することなく、社会の大きな変化に対応するために近年大きな改革を実施しています。

まず、この3月に2期目の卒業生を送り出したコース制は、明確な進路希望を持つ学生を対象とするもので、弁護士、検察官、裁判官等の法曹・法律専門職を目指す司法コース、国家公務員・地方公務員を目指す行政コース、そして国際的に活躍できる人材を養成する国際コースの3コースとなっています。コース内容に即した専門科目群を設置して高度な知識の習得を可能にするとともに、少人数のコース演習科目の履修により将来の夢へ向けて進める環境を整えています。

全体としても、基礎ゼミ(1年生)、一般演習A・B(2年生)、専門演習I・II(3・4年生)などゼミナール形式を用いた4カ年の少人数教育を設定しており、リーガル・マインドを備えた学生を社会に送り出すことができます。

また、2016年には学科改組があり、すべての学部生が同じ学科で学ぶ1学科制に再編されました。

従来の2学科制は、1966年、法解釈学を中心とする法律学科に加えてビジネスに関する法分野をコア科目とする経営法学科が設置されたことに始まります。2004年には経営法学科を改組して政策的提言を行える人材を養成する政策法学科ができました。

1学科再編では、ビジネスや政策など法学の隣接学問の多くを法律学科で学べるようにしたもので、実質的には幅広い学科の合併とも言えるものです。学生の興味の変化や進路変更に際しても、従来の学科の壁を越えて、柔軟に対応できることになりました。

さらに、2016年春には新校舎C館が完成し、法学部全体がEキャンパスに移転しました。

最新の設備を誇るC館は、法科大学院の入るB館に隣接するため大学院との連携を図ることができ、また、文芸学部、経済学部、総合社会学部等Eキャンパスにある文系諸学部との積極的な交流も行えるようになりました。

昨春には、キャンパス内にアカデミックシアターの名称が付いた新しい学生中心の施設がオープンし、法学部学生も広い学内で充実した時間を送ることができるようになっています。

2018年度は、これまで検討を重ねてきた法学部の教育改革が花開き、それを支える諸設備が完備する年となります。

難関を突破して入学した多くの新入生を迎える春、法学部教員・職員一同は、教育の一層の充実をはかり、社会が求める多様な課題に対応可能な人材を輩出できるよう心を新たにし、努力する所存です。

2018(平成30年)年4月1日
法学部長 土屋 孝次