土屋孝次学部長から、2017年度のご挨拶を申し上げます。

2017.04.01

2017 年度の開始にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。

さて、近畿大学法学部の歴史は、1925年大阪専門学校法学科として設立されたのを始まりとします。その後、戦後の学制改革を経て1950年には、現在の名称である近畿大学法学部として設置認可を受けました。この様に法学部は旧制専門学校以来90年以上、学部としても70年近い歴史を誇ります。この間、法学部は数多くの卒業生を法曹界、実業界、その他の分野へと送り出してきたのです。

もっとも21世紀の法学部は、その長い歴史と実績に安住することなく、社会の大きな変化に対応するため近年大きな改革を実施してきています。

まず、2013年に導入されたコース制は、入学時より明確な進路希望を持つ学生を対象とするもので、弁護士等の法曹・法律専門職を目指す司法コース、国家公務員・地方公務員を目指す行政コース、そして国際的に活躍できる人材を養成する国際コースの3コースとなっています。コース内容に即した専門科目を設置して高度な知識を習得可能にするとともに、少人数のコース演習科目の履修により、将来の夢へ向けて仲間とともに進める環境を整えています。基礎ゼミ(1年生)、一般演習A・B(2年生)、専門演習I・II(3・4年生)などゼミナール形式を用いた4カ年の少人数教育も、リーガル・マインドの修得に役立つと確信しています。

また、2016年には2学科制を1学科制に再編しました。法学部の2学科制は、1966年、法解釈学を中心とする法律学科に加えてビジネスに関する法分野をコア科目とする経営法学科が設置されたことにはじまり、2004年には同学科を改組して政策的提言を行える人材を養成する政策法学科ができました。1学科再編では、このようなビジネスや政策など法学の隣接学問を法律学科で学べるようにしたもので、実質的には幅広い学科の合併とも言えるものです。学生の興味の変化や進路変更に際しても、従来の学科の壁を越えて、柔軟に対応できることになりました。1学科制の下で将来について真剣に考えてください。

さらに、この様なソフト面の改革に加えて、2016年春には法学部関係者の長年の夢であった新校舎C棟が完成しました。最新の設備を誇るC棟は、法科大学院の入るB棟に隣接するため大学院との連携を図ることができ、また、文芸学部、経済学部、総合社会学部等Eキャンパスにある文系諸学部との積極的な交流も予定されています。

2017年度は、これまで検討を重ねてきた学部教育改革が花ひらく年となります。

難関を突破して入学した多くの新入生を迎える春、法学部教員・職員一同は、教育の一層の充実をはかり、社会が求める多様な課題に対応可能な人材を輩出できるよう心を新たにし、努力する所存です。

2017年4月1日
法学部長 土屋 孝次