本学協定校のJAMK応用科学大学(フィンランド)へ留学中の田仲曜さん(法学部4年生、森山ゼミ)から留学便りが届きました。

2017.02.07

本学協定校のJAMK応用科学大学(フィンランド)へ留学中の田仲曜さん(法学部4年生、森山ゼミ)から留学便りが届きました。

法学部政策法学科国際コース4年の田仲曜(たなか ひかり)です。

私は現在フィンランドのユヴァスキュラに滞在し、JAMK University of Applied Sciences(JAMK応用科学大学)に2016年8月から2017年5月までの期間交換留学生として在籍しています。

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University of Applied Sciences は応用科学大学またはポリテクニック(polytechnic) と呼ばれます。

その教育内容は、通常の大学とは異なり、さらに高い適正を養うための教育と実践スキルの獲得に主眼が置かれています。

よって、授業では実際の業務で使用する書類などを扱うほか、積極的なディスカッションやシミュレーションが求められます。

大学では主にInternational Business を学んでいます。

今まで法を中心に学んでいたおかげで、学際的な視野から国際情勢を見つめることができるばかりか、法学部で培われた論理的な思考力でもって国家間のビジネス論理を捉えることができています。

新しい知識・知見との遭遇は知的好奇心がより一層かき立てられ、日本経済のさらなる発展に貢献できる人材に必ずなるのだと強いモチベーションを引き起こしてくれます。

その一方で、学習対象が語学ではなく、あくまでも「専門知識を英語で学ぶ」という点が大きな魅力であるものの、日本語で調べても意味が分からず困惑することもあります。

しかしながら、そうしたことでさえ、ルームメイトや先生方の力を借りて遅れを取らないようにする「生き残りの場」と捉え、学術と実学の中で自身をより洗練させる好機だと考えています。

実際、多くの国々から学生が集まっており、主に文化的差異から生じる各々の発言内容や授業に臨む姿勢の違いは非常に興味深く、多様性(diversity)の中での寛容性(tolerance)も実践の中で身につけることができました。

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英語での学位取得が可能なこと、さらには、EU圏内ということもあり、様々な国籍の学生で溢れていることから、学内では各国の言語が飛び交い、ボーダーレスの中での自身のアイデンティティとの比較・対照を行う機会も溢れています。

そうした中、訛りやアクセントの違いはあれども、互いの意思疎通の手段として主に英語が用いられており、その運用力一つをとってもレベルが高く、「生活言語」としての意識のあり方を考えざるを得ません。

自身の将来に向けて活用するのはもちろんのこと、国際社会で生きていこうとする私たちにとって何が必要なのかを、帰国後は法学部の皆さんに伝えていきたいと思っています。

課外生活については、私は3人でルームシェアをして暮らしています。

皆国籍は違いますが話好きという共通点があり、文化面・学術面など、常にディスカッションやディベートの場となっています。

たとえば、趣味の話から政治の話題まで多岐に渡って2,3時間話し合うこともしばしばです。

多様性や相手の立場を尊重しながらも如何に自身の意見でもって説得も行えるか、知・情・意が試される勉強の日々です。

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そもそも、フィンランドを志望したきっかけは教育水準の高さによります。

その指標の一つであろう英語力は予期していたとおりの高さでした。

首都から離れた小さな街であってもほとんどの人が英語を使えます。

半年間生活をしていて英語が通じず困ったことはありませんが、その一方で、この経験を如何に後輩の皆さんに伝え、ひいては、如何に学習というものに取り組んでいくべきかを一緒に考えたいと思っています。

また、授業内で教授の先生方が積極的に外部から人を招き入れる姿勢を見て、受講者が専門的知識をより深められるような教育上の戦略がシステマティックに行なわれていることにも感銘を受けました。

産学連携ではないですが、私たちの取り組み方次第で可能性は無限であり、この点において教育水準を高く保つ重要な要素になり得るとも考えています。

帰国後も、この「苦労の中での充実感」をベースに多様性を常に楽しむ気持ちを大事にして自身の成長をさらに促し、学術・実践の両活動に励んでいきたい一心です。

私の目標は法学部に入学してから一貫して変わっておらず、「国と国とを繋ぐ仕事」に従事して大好きな日本のさらなる発展に貢献できる人材になることです。

法学部での先生方のご指導や国際コースでの活動の中で1年生の頃から意識してきた「世界に目を向ける」こと、留学経験から得たものを十分活用できることを心がけて今後も積極的な活動を展開し続けていく所存です。

法学部政策法学科国際コース4年生
田仲 曜