森山ゼミ「国際活動推進研究会」の羽原綾香さん(法学部3年生)が、カナダKing George International CollegeにてTESOLを取得しました。

2016.02.23

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森山ゼミ「国際活動推進研究会」の羽原綾香さん(法学部3年生)が、カナダKing George International College(KGIC)にてTESOLを取得しました。

TESOLとはTeaching English to Speakers of Other Languagesの頭字語で、英語を母国語としない人たち向けの英語教授法を意味します。近年、質の高い英語教員が求められている日本においてもその需要が高まっており、世界中で英語を教える国際資格であると言えます。羽原さんはこのTESOLを含め、以下の資格を取得しました。

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・Certificate of TESOL
最新の第2言語習得理論、語彙・文法・発音などの教授法、四技能に関る教授法、プレゼンテーション方法、評価法、教材開発論などに関る資格。

・TESOL for Children
上記の内容を基に、3歳~12歳の学生を対象とした児童英語教育に必要な教育論や技能の習得に関する資格。(羽原さんはKGIC語学学校キッズクラスにて1ヵ月間の教育実習も実施)

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・Diploma of The Power Speaking Modern Media Program(PMM)
発音からディスカッション、ディベート、プレゼンテーション、ショートムービー制作などを通してコミュニケーションのスキルアップ、スピーキング力の強化を行なった証明書。

以下が羽原さんの感想です。 「私の留学の第1目的はTESOLの取得でした。

当該授業群の各内容を正確に理解し、その咀嚼内容をしっかりと発言するスピーキング力がまずは不可欠であったため、初めの2か月間は失敗を恐れず英語を運用する、とにかく言葉にする、ということに集中しました。

毎朝一番に学校へ行き、先生を独り占めにする時間を設け、またクラスの中では最年少であることを逆手に取ろうと開き直り、知識やそれを発話する表現方法が未熟であっても、恐れずに誰よりも意見を発信することに努めました。

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そして、この留学期間で培ったスピーキング力、プレゼンテーション力の自信とともにTESOLコースへと進みました。

そこでは、既に英語力・プレゼン力などを有しているのが前提であり、他に教師など様々な経験を持つ人々が集まります。そのため、当初、私が培ってきた自信は見事に打ち砕かれました。

しかしながら、質の高い教育環境に囲まれていることへの有り難さを噛みしめると同時に、初心を思い返した挑戦の姿勢を基に取り組むことで、そこで得られたもののすべてが人生上の大きな財産へと変わりました。

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具体的には、まず、学んだ教授法を毎週クラスの中で実践します。模擬授業に相当するものです。特に授業案の作成や板書、資料・問題作成などの準備過程においては時間をしっかりとかけて念入りに準備しました。もちろん自身が教師側として実践した時に感じたこと、さらには、自己またはクラス担任によるフィードバックを通して得られたことは、明日への自己改革・成長にとって欠かすことができないものばかりでした。

しかし、それ以上に大切にした時間は自分が生徒側になり、他のクラスメイトが授業を進める時間です。きっかけは、指導教員に『ほかの学生の実践で良いと思ったところはすべて吸収しなさい。そしてそれをアレンジしながら自分のものにしなさい』と金言を賜ったことによります。

その時から、私は良いと思った技能・テクニックはすべて逃さず体得しようと心がけ、次の機会に手を加えて余すところなくその実践を心がけました。その結果、回数を重ねるごとに高い評価が得られるようになり、自信も取り返しつつありました。

最終的には、TESOL-Childrenの際、逆に他の方々から教えを請う側になることも多々あり、日々の成長を実感することができるに至りました。まさに、周囲の方々、そしてそれを取り巻く環境の一つひとつも私にとっては『学びの対象』であると気付いた瞬間であり、資格を取得した以上に価値のある収穫となりました。

そして、いよいよ吸収したものを実用する時が教育実習という形で訪れました。

国籍も年齢もレベルも混在したクラスの中で子どもたちに英語を教えることは、キャリアの浅い私にとって非常に困難を伴うものばかりでした。その主たる要因の1つとして、子どもたちには秒刻みとも思えるほどの間隔で種々の予期しない問題が発生したことが挙げられます。

そこで、その因果関係を細かく分析した結果、根本から解決する1つの方策として『必ず問題解決がなされるまでその子のそばを離れない』という極めてシンプルな姿勢を徹底的に貫き通す原点に立ち返るようにしました。もちろんその生徒以外にも受講者となる子どもたちはたくさんいます。ここでいう『そば』とは物理的な距離の意味ではなく、常に意識し、離れたところからであっても一挙手一投足にまで気を配る、という抽象的・心的距離を指します。また、教授内容そのものについても、言語学習における子どもたちの素直さを考慮して、発音や言葉遣いにまで細心の注意を払うことを強く心がけました。

以上のように、プログラムごとに様々な困難に直面しましたが、取得し終えたときの達成感は何事にも代え難いものでした。また1つ資格を取得すれば、『次はもっとこの様にしたい』などという新たな目標も自然に湧いてくる、今まで味わったことのない前向きな感覚です。この実体験を基に、『外国語を学ぶ』だけでなく『外国で学ぶ』ことの重要性を、今後、法学部の友人たちに少しずつでも広めていきたいと考えています。

このように私を成長させてくれたのは自分自身の努力だけではなく、優れたスキルを持つ方々と切磋琢磨できたこと、留学中もゼミで常に支えてくれた仲間たちがいたこと、そして、国際コース第1期生のコース長として学際的な視野を広げて頂けた先生方のお陰です。この場をお借りして改めてお礼申し上げます。」

今後も、森山ゼミ「国際活動推進研究会」は、ゼミ生自らの主体性のもと、日本と海外との橋渡しになる国際的役割を担う人材育成を進めていきます。