公開講座「第4回中河内シンポジウム」を開催(大阪府中小企業家同友会との共催)
2025.03.05
2025年2月24日(月・祝)、東大阪キャンパス実学ホールにて、短期大学部公開講座「第4回中河内シンポジウム」を開催しました。今年は大阪府中小企業家同友会中河内ブロックとの共同主催とし、大幅に規模を拡大して実施しました。
「みらいの一歩はあなたが踏み出す~当事者として地域の未来をデザインする~」をテーマにした本シンポジウムでは、はじめに東大阪市長の野田義和氏、八尾市長の大松桂右氏、近畿大学短期大学部長の稲葉浩幸教授が開会の辞を述べ、約4時間にわたり東大阪市と八尾市の地域住民、学生、教職員、行政職員、中小企業経営者など約200名の参加者が議論を交わし、会場は熱気に包まれました。
入江教授による基調講演
開会の辞に続いて、短期大学部教授の入江啓彰博士による基調講演「中河内経済論~データで考える中河内の今と未来~」が行われました。データを基に関西の中河内地区の経済について論じられ、地域の強みや課題、将来のビジョンとスコープについて考察されました。ビジョンは長期的な目標を示し、スコープはその具体的な範囲を定めるものです。入江教授の講演では、「中河内ブランドのアップデート」「中河内スコープの展開」「課題先進地域としての関西・中河内の可能性」がデータを背景に現実的かつ具体的に語られ、参加者は熱心に聞き入っていました。
グループ討論・質疑応答
次に、基調講演を題材にしてグループ討論が行われました。参加者は市民と企業の立場から関西・中河内の経済活性化に向けた意見を話し合い、グループごとに発表を行いました。発表を受けて入江教授は「多くの気づきがあった。中河内地域の「ものづくり」ブランドイメージのアップデートも必要になっている」と述べました。
4大学の学生による研究発表
学生による研究発表では、以下の4グループの発表がありました。それぞれ、若い世代の視点を取り入れた発表が行われました。
• 大阪商業大学総合経営学部粂野ゼミ:東大阪と工具メーカーの関わりの研究
• 大阪経済法科大学地域未来創造型マーケティング研究会「やおみらい」:八尾市の特産品である枝
豆を中心とした商品展開の研究
• 阪南大学経済学部高橋ゼミ:八尾市の魅力開発プロジェクトの詳細
• 近畿大学短期大学部頭師ゼミ:企業社会における若者の振る舞い(いわゆる「若害」)についての
研究
子ども分科会:SDGsカードゲームで社会活動のバランスを体感
子ども分科会では地域の子どもたちを対象にしたワークショップが実施されました。5歳から18歳までの子どもが参加し、大人も含めると約50名が集まりました。参加者は近畿大学短期大学部頭師ゼミの学生からサポートを受け、SDGsを学ぶためのカードゲーム「ぼくらの未来をゲームで考えながら楽しもう」に参加し、地域の課題と可能性を楽しく学びました。
ワークショップに参加した子どもたちの感想には、「ゲームを通して、大人はつらい仕事やさまざまな仕事を頑張ってくれていると感じた」という声があり、社会の仕組みを理解する貴重な機会となったことが伺えました。またゲーム体験後のプレゼンの優勝者は「お金にはかえられなくても、ボランティアという形も大切とわかった。周りには人がいないといけない。困っている人を助けられる人になりたい」と語りました。
参加者の声
シンポジウムに参加した方々からは、以下のような感想が寄せられました。
「データに基づく講演が非常に参考になった。今後の経済の動向を考える上で示唆に富んでいた」
「地域の未来について、多くの気づきを得られた。行政、企業、学生が一堂に会して議論する貴重な機会だった」
「子どもたちと一緒に学べる場があってよかった。ゲームを通じて楽しみながらSDGsについて考えることができた」
短期大学部では、今後も多くの皆様にご参加いただける公開講座やイベントを開催し、研究・教育成果を社会に還元してまいります。