ファーガソン・ピーター准教授が執筆(単著)した 『Navigating English Policy and Practice in Japan's Primary Schools』が Multilingual Matters より刊行されました。
2025.12.03
本書は、長年にわたり日本の教育現場(幼稚園から大学まで)で指導してきた経験や、研究者・保護者としての視点を踏まえ、日本の小学校英語教育をめぐる政策と実践の関係をわかりやすく分析したものです。グローバル化や将来の競争力を重視する改革志向の立場と、文化的伝統や教育の継承を重視する保守的な立場という、相反するイデオロギーが政策解釈や授業実践にどのように影響を与えているのかを明らかにしています。
また、文部科学省や教育委員会の役割、政策形成の背景、教科書採択をめぐる考え方、そして教師が制度的制約や曖昧さの中でどのように授業を組み立てているのかを丁寧に解説しています。日本の小学校が、異なる教育観が交差し、折り合いをつけながら実践が形づくられる場であることを示しています。
言語教育や教育政策、改革の実施過程に関心のある読者にとって、国内外を問わず示唆に富む内容となっています。
出版社ウェブサイト:https://www.multilingual-matters.com/page/detail/navigating-english-policy-and-practice-in-japans-primary-schools/?SF1=work_id&ST1=CVIEW-67b3a18a96a1e