著者
Sawako Maruyama

論文タイトル
A cross-industrial analysis on the task content of trade

掲載誌情報
Journal of The Japanese and International Economies, vol.77, article 101379

リンク先
https://doi.org/10.1016/j.jjie.2025.101379

論文の内容紹介

この論文では，日本の製造業におけるタスク貿易を推計しています。本論文の目的は，産業間での貿易におけるタスク貿易の違いとその決定要因を明らかにすることです。推計では，タスクを５つのカテゴリーに分け，合成タスク指標を算出しました。分析の結果，技術水準の低い労働集約型の部門では，定型手仕事タスク（routine manual tasks）の輸入が比較的多い傾向にあることが明らかになりました。また，従業者数で表したタスク貿易では，機械類のみが貿易黒字となる一方，労働集約型部門では定型手仕事タスクの貿易赤字が大きくなる傾向があるという結果も得られました。さらに，実証分析の結果から，産業特性や職業構成といった要因が部門ごとのタスク貿易の違いに影響を与えることが示されました。