山田克宣教授の論文がAmerican Psychologistに掲載されました

2024.01.30

  • 研究

著者
Shuhei Kitamura , Katsunori Yamada

論文タイトル
The Constructive and Destructive Power of Social Norms in the Presence of Authoritative Influence

掲載先情報
American Psychologist (Advance online publication)

リンク先
https://doi.org/10.1037/amp0001288

論文の内容紹介
本研究では、2020年4月の新型コロナウィルスの緊急事態宣言下の日本において、人々の外出行動を抑制するための情報介入実験を行った。「世間の平均と比べて自分の外出時間はどうであったか」という他者を参照する効果と、「情報を伝えるのが影響力の強いセレブリティであればどう反応するか」というメッセンジャー効果の、2つの介入を組み合わせたファクトリアル・デザインを用いて、3週間にわたる追跡調査を3000人の被験者に対して行った。結果として、世間の平均と比較して外出時間が長かった人たちに対して有意な外出時間の削減効果が認められたものの、世間の平均と比較して外出時間が短かった人たちに対して、意図せざるバックファイアー効果が発生した。この結果、総外出時間を減らすことが可能かについては断定的な判断ができず、非常時における情報介入政策の難しさを浮き彫りにすることになった。