藤本正樹教授の論文がJournal of Sports Economicsに掲載されました

2022.12.15

  • 研究

著者
Masaki Fujimoto

論文タイトル
A Dynamic Analysis of Equal Revenue Sharing and Endogenous Salary Caps in the N-team Leagues

掲載先情報
Journal of Sports Economics

リンク先
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/15270025221143983

論文の内容紹介
本論文は、一期間モデルで外生的に決められたサラリーキャップの効果についての分析を、それが内生的に決められる多期間モデルの分析に拡張し、以下の否定的な結果を得ました。
(1)均等収益分配制とサラリーキャップ制の導入によってチーム間の経済格差をなくしても、戦力の不均衡はなくならない。
(2)サラリーキャップ制で決められるプレイヤー達の年俸の割合は、チーム間の戦力の配分には影響しない。
(3)均等収益分配制とともに導入される場合、プレイヤー達の年俸の制限は、年俸の上昇を抑えるのではなく低下を防ぐところに意味がある。
(4)均等収益分配制とサラリーキャップ制の下では、成績下位チームから順番に選手を指名していく逆順ドラフトによって下位チームの戦力投資を促進することはできない。

以上の否定的な結果は、戦力の均衡を目的として北米4大プロスポーツリーグ(NFLMLBNBANHL)で導入されているそれらの制度は、チームが利潤最大化行動をとる場合には有効ではないことを意味します。