藤本正樹教授の論文がSN Business & Economicsに掲載されました

2022.10.11

  • 研究

著者
Masaki Fujimoto

論文タイトル
Giffen Behavior and Duality from the Viewpoint of the Relation between the Shapes of Price Indifference and Indifference Curves

掲載先情報
SN Business & Economics 2, 167 (2022)

リンク先
https://link.springer.com/article/10.1007/s43546-022-00341-z
論文の内容紹介
消費の理論の効用関数と間接効用関数の双対性において、効用関数と間接効用関数が共通して持つ性質があることはすでに知られていますが、本研究はそれらの等高線(無差別曲線と価格無差別曲線)が互いに異なる性質を持つという以下の結果を示しました。
(1)無差別曲線が右下に向けて末広がりになるとき、価格無差別曲線は左上に向けて末広がりになる。逆に、無差別曲線が左上に向けて末広がりになるとき、価格無差別曲線は右下に向けて末広がりになる。
(2)無差別曲線がより大きく曲がり直角線に近くなればなるほど、価格無差別曲線はより平らになり直線に近くなる。逆に、無差別曲線がより平らになり直線に近くなればなるほど、価格無差別曲線はより大きく曲がり直角線に近くなる。

結果(1)は、一方の財の需要曲線が右上がりになるとき、他方の財の逆需要曲線の方が右上がりになるという Kohli (1985) による結果を図形的に説明するものとなります。
結果(2)については、McFadden (1978) によって生産の理論の生産関数と費用関数の間に同様の結果が代替の弾力性を使って示されていますが、本研究では限界代替率を使っているために消費の理論に特有なギッフェン財のケースを含んで取り扱えるのが特徴です。