河田幸視准教授の論文が、Aquaculture Reports誌に掲載されました

2022.05.30

  • 研究

★タイトル★
Fruit wastes improved the growth and health of hybrid red tilapia Oreochromis sp. and Malaysian mahseer, Tor tambroides (Bleeker, 1854)

★掲載誌★
Aquaculture Reports, 24, 101177(Elsevier B.V.)
https://doi.org/10.1016/j.aqrep.2022.101177

★共著者★
Muhammad Aliyu Sulaimanさん(マレーシアプトラ大学・院生)
Fatimah Md Yusoff教授(マレーシアプトラ大学)
Mohd Salleh Kamarudin教授(マレーシアプトラ大学)
S.M. Nurul Amin教授(釜慶大学校 FAO世界水産大学、マレーシアプトラ大学)

★内容紹介★
果皮、種子、搾汁後残滓などの果実廃棄物は、有用な栄養素を含むものの、そのまま廃棄されて汚染問題を起こしています。本研究では、すりおろしたココナッツ(GC)、パイナップルの皮(PS)、パイナップルの冠芽(PC)、ジャックフルーツの皮(JS)、ジャックフルーツの果肉(JP)、混合した果実廃棄物(GC+JP)を加えた餌を用いて、hybrid red tilapia (Oreochromis sp.)とマレーシア産mahseer (Tor tambroides)を養殖し(実験群)、通常の餌で養殖した対照群と比較しました。tilapia(GC、PS、PC、JS、JPを使用)、mahseer(GC、PS、JP、GC+JPを使用)のどちらでも、実験群は、対照群よりも高い成長率、生残率を示しました。Aeromonas hydrophilaを人為的に感染させた実験では、果実廃棄物を含んだ餌によってtilapiaとmahseerの免疫応答の仕方が改善され、生残率が向上したようでした。果実廃棄物の魚餌への添加は、果実廃棄物による汚染問題を軽減すると同時に、養殖魚の生産効率を高めて、養殖コストを低下させる可能性があることがわかりました。

本研究は、2019年度 東洋水産財団「学術奨励金」による助成研究「フルーツ残渣を混ぜた餌によるマレーシア産Mahseer Tor tambroidesの養殖実験:コスト面の検証」(研究代表者:河田幸視)で得られた成果の一部です。

★リンク★
https://authors.elsevier.com/sd/article/S2352-5134(22)00173-9