藤本 正樹教授の論文がスペインの学術誌Journal of Sports Economics & Management に掲載されました

2022.04.07

  • 研究

藤本 正樹教授の論文 "Sporting Contests with Games on the Field" がスペインの学術誌 Journal of Sports Economics & Management に掲載されました。

本論文は、スポーツチームの競争の分析に、従来取り扱われていなかった球場での試合を取り入れることで分析の範囲を拡大し、以下の3つの意思決定問題を解いています。

(1) オーナーはチームの年俸総額(予算)を決定する。
(2) その予算制約の下で、ゼネラルマネジャーはシーズンの期待勝率が最大となるように攻撃と守備の戦力水準を決定する。
(3) その戦力水準を前提に、監督は各試合での期待得点が最大となるように、期待失点が最小となるように試合で使うプレーを決定する。

これらの問題について、以下の結果を得ました。(3) については、各チームの監督は試合では複数のプレーをランダムに選択する混合戦略をとる。

(1) と (2) については、年俸総額がリーグ平均を上回るチームは、守備力がリーグ平均を下回るが得点力が平均を上回るためにリーグ戦で勝ち越し、年俸総額がリーグ平均を下回るチームは、守備力がリーグ平均を上回るが得点力が平均を下回るために負け越す。

(1) と (2) について2010年代の米国メジャーリーグ(MLB)でいえば、前者の例はタイガース(2010年, 2012年, 2013年, 2014年, 2016年)、レッドソックス(2010年, 2018年, 2019年)、ヤンキース(2012年, 2015年, 2019年)、ナショナルズ(2015年, 2017年, 2018年, 2019年)などです。

また、後者の例はパドレス(2011年, 2014年, 2017年, 2018年, 2019年)、マーリンズ(2015年, 2016年, 2018年, 2019年)、レイズ(2015年, 2016年, 2017年)などです。

掲載先情報
Journal of Sports Economics & Management Vol. 11, No. 1, 2021, pp. 61-83.

リンク
http://sportsem.uv.es/j_sports_and_em/index.php/JSEM/article/view/196