2025年度 第8回定例講演会

2025.12.04

  • 定例講演会

【講演テーマ】

「税の役割と国税の仕事」 

【講師】

東大阪税務署 
副署長 越智 康博 氏

【会場】Zoom

12月3日(水)に、第8回定例講演会が開催されました。講師に、東大阪税務署副署長の越智康博様をお迎えし、「税の役割と国税の仕事」をテーマにご講演いただきました。


講演では、令和7年度予算を例に、社会資本整備や公共サービスなど、私たちの「当たり前の生活」を支える仕組みが、税によって成り立っていることが具体的に紹介されました。また、直接税・間接税といった税制の概要や、税収の推移、消費税増収分が社会保障に充当される仕組みなど、税と社会保障の一体改革についても詳しく解説されました。

続いて、国税の仕事について、税務行政の理念や組織構成が紹介されました。AI活用やDX推進などによる業務の高度化に触れ、理工・デジタル系の人材ニーズが高まっている現状が説明されました。さらに、徴収や各課税業務の具体的な内容、査察調査の隠匿事例といった実務のリアルな側面も紹介され、学生の関心を集めました。

本講演を通じて、税が果たす役割と国税の仕事の奥行きについて理解を深める貴重な機会となりました。

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参加学生からの感想を一部ご紹介いたします。

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・税の役割について学ぶ中で、税が単なる国への負担ではなく、社会全体を支える"見えないインフラ"として機能していることに改めて気づかされた。公共サービスの財源としてだけでなく、格差の是正や景気調整、さらには人々の行動をより良い方向へ導く仕組みとして、多面的に社会に作用している点が興味深かった。また、国税の仕事が想像以上に高度で専門性の高い業務であることにも驚いた。課税・徴収・査察・制度設計が連携し、公正な社会の維持という使命を担っている。税の仕組みを理解することは、社会を見る解像度を高めることにつながると感じた。

・税金はすごく身近なモノですが今までは「払わなければならないもの」ぐらいの理解しかありませんでした。しかし、今回の講演会を聞いて税金に関する理解が少し深まりました。また税務署と聞くと、文系のイメージが強かったのですが、データの管理や判断を、AIを用いて行われているということを聞いて、理系の力も必要になって来ているのだということが分かりました。税務署の業務は国の運営のために必要不可欠な重要な業務だと思いました。

・国税専門家になるためには実務経験や研修などをしてなれると知り、とても大変な職業だと思いました。最後の質問のときに回答していた辛かったことの話で納税者のことを考えて伝えていても伝わらないというところが難しい職業だと思いました。私は将来公務員になりたいと考えているので、国税専門官という職業があると知り、少し興味を持ちました。

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越智様、素晴らしいご講演をありがとうございました。