2025年度 第7回定例講演会
2025.11.28
- 定例講演会
【講演テーマ】
「NO COMPETITION, NO GROWTH!」
【講師】
公正取引委員会事務総局
近畿中国四国事務所長 南雅晴氏
【会場】Zoom
11月26日(水)に、第7回定例講演会が開催されました。講師に、公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所長の南雅晴様をお迎えし、「NO COMPETITION, NO GROWTH!」をテーマにご講演いただきました。
講演では、独占禁止法の目的と公正取引委員会の役割を中心に、競争政策の重要性について分かりやすく解説されました。「競争なくして、成長なし」というメッセージのもと、競争が価格形成や技術革新を促す仕組みを需要・供給曲線を用いて丁寧に説明され、スマートフォンの性能向上や旧東西ドイツの自動車の違いといった身近な事例を交えながら、公正な競争が社会や消費者にもたらす利益を示されました。
また、公正取引委員会が扱う法令は拡大しており、下請法や景品表示法(消費者庁からの委任による調査)に加え、フリーランス事業者間取引適正化法やスマホソフトウェア競争促進法など、新たな経済環境に対応する制度にも携わっていることが紹介されました。公正取引委員会は法執行に加えて制度整備にも関与し、法律と経済が交差する領域で重要な役割を果たしていることについて説明していただきました。
講演を通じて、学生たちは競争政策の現場で何が行われているのか、法律が市場の健全性を支える上でどのように機能しているのかについて、多角的に理解を深める貴重な機会となりました。
参加学生からの感想を一部ご紹介いたします。
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・競争の経済について学び、独占が市場の効率性を損なう一方で、自由な参入が価格低下や質の向上を促すことが印象的だった。企業間の健全な競争が消費者利益につながる仕組みを理解でき、政策の重要性も感じた。
・下請け業者と親業者の間でさまざまなルールが定められていることを知った。公正な取引を行うためにはきっちりルールを守ってより社会が豊かになってほしい。また、今年にも下請け業者に対する親業者の法律違反を紹介しているところで、色々なルールがある中で一つも違反せずに公正な取引にするためには、ルールをきちんと知ることが大切だと感じた。
・公正取引委員会という普段私たちの生活を裏で守ってくれている人の話を聞けてよかった。一つ一つの広告にしっかりと注目して私たち消費者に不便がないようにしていると知り感心しました。あたかも期間限定で利益があるように見せて、買い手の心理を利用してやるようなやり方にはしっかり気をつけようと思いました。
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南様、素晴らしいご講演をありがとうございました。![]()