2024年度 第八回定例講演会

2024.11.29

  • 定例講演会

【講演テーマ】 
「最近の競争政策の展開~デジタルエコノミーにおける競争政策を中心に~」 

【講師】
公正取引委員会事務総局
近畿中国四国事務所長 片桐一幸氏


【会場】
Zoom
1127日(水)に、第8回定例講演会が開催されました。講師に、公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所長の片桐一幸氏をお迎えし、表題のテーマでお話し頂きました。

ご講演内容は、私たちが普段ニュースなどで耳にすることの多い公正取引委員会の紹介や独占禁止法の存在意義に始まり、公正な取引環境を維持するために行われている取り組み、そしてデジタル分野における昨今の趨勢まで及び、非常に盛り沢山の内容でした。

公正取引委員会とは?競争政策の意義やその中核をなす独占禁止法とは?最近のトピックス的な話題として、巨大デジタル企業に関連した取組もご紹介頂き、受講生の皆さんは、普段メディアなどでよく耳にする公的機関が実社会において果たす役割についてより具体的なイメージを持てたのではないでしょうか。今回の講演をヒントに、今後ますますAIが発展していく社会においてどのようなことを念頭におかなければならないのかなど、引き続き考えていってもらえればと思います。

講演終了後には質問も寄せられ、講演に対する強い興味関心が感じられました。日頃受けている講義内容との結びつきも深く、経済学部で学んでいる内容と実社会との関連を一層感じられたことと思います。この講演を一つの契機にして、今後の学問を更に進め、専門性を益々磨いていってもらえればと思います。

ーー参加した学生からの質問と回答例ーー

 Q: (独占禁止法の)事後規制の手続きにはどのくらいの時間がかかるのですか?また、迅速に対応し時間を短縮するために手続きを省略されることはあるのですか?

A: 事件の内容に応じて要する時間は変わりますが、長いものでは1〜2年かかることもあります。事件の調査にかかる時間とは、即ち事実確認に要する時間とも言えますが、慎重を要する作業であるため、それを短縮することには難しさが伴います。ただ、一見矛盾するようですが、独占禁止法の目的は正常な競争状態を早急に回復することにあり、そのための方策として「確約手続き」が存在します。
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片桐様、素晴らしいご講演をありがとうございました。