講演会・イベント一覧

市民公開講座

2025年11月15日(土)近畿大学アンチエイジングセンター主催「第37回市民公開講座」を東大阪キャンパスにて開催しました。

第37回目市民公開講座は、約132名の市民の方々にご来場頂き、盛況に終えることができました。
今回は、『自分らしさをあきらめない!』をテーマに、ホスピタルアートとユニバーサルファッションの専門家による講演を行いました。また、開催中にはアンチエイジングセンター監修の「近大アンチエイジング弁当」の試食会を行い、終了後には近畿大学薬学部薬用植物園の見学会も実施しました。

日時:令和7年(2025年) 11月15日(土) 13:00~15:20

場所:近畿大学東大阪キャンパス C館 1階 102教室

主催:近畿大学アンチエイジングセンター

開会の辞:近畿大学 アンチエイジングセンター センター長 森川 敏生
講演者のご紹介:近畿大学総合社会学部 教授 塩﨑麻里子
講演1

タイトル:Well-beingな生き方とは
講師:近畿大学文芸学部文化デザイン学科 教授 森口 ゆたか

本講演では、WHO(世界保健機関)が定義する「健康」の概念を軸に、Well-being な生き方について考える機会となりました。WHOによる健康の定義は「完全な肉体的、精神的および社会的福祉の状態であり、単に病気や虚弱でないことを意味しない」とされています。つまり、病気の有無だけではなく、身体的・精神的・社会的に満たされた状態こそが健康であるという視点が重要であると示されました。
講師の森口氏からは、療養環境におけるアートを専門とする立場から、ホスピタルアートの実践や役割について具体的な紹介がありました。病院が「人間修理工場」として機能するだけではなく、患者が「自分らしく最期まで人生を楽しめる場」となるための取り組みが、国内外の事例を交えて紹介されました。
また、近年イギリスを中心に広がりつつある「社会的処方(Social Prescribing)」についても解説いただき、医療が単なる医学的処方だけで完結するのではなく、より全人的で包括的なケアが求められていることが強調されました。

講演2

タイトル:暮らしの中の身近なアートとファッション~いつまでも自分らしく~
講師:株式会社ダブディビ・デザイン、一般財団法人たんぽぽの家 代表取締役 柊 伸江

本講演では、障害のある方を含むすべての人が文化芸術を楽しむ権利を持ち、誰もが「自分らしく」いられる社会のあり方について考える機会となりました。
平成30年(2018年)には「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」が施行され、今年度からは全国すべての都道府県に支援センターが設置されました。また、令和6年(2024年)には「障害者差別解消法」が一部改正され、すべての民間事業者に対して「合理的配慮」の提供が義務化されました。これらの動きは、障害のある方や高齢者など、ケアやサポートを必要とする人々が、社会の中に存在する“障壁”に今なお直面していることを示すものでもあります。
講師の柊氏は、「文化芸術は特別な場所にあるものだけではなく、暮らしの中の身近なモノやコトにも存在する」と強調されました。自分を起点に、「心地よい時間」や「心地よい空間」を考えてみると、そこには自然と“自分らしさ”が表れるのだという視点が提示されました。
講演では、柊氏が研究テーマとして取り組む「障害者アート」と「ユニバーサルファッション」の具体的な事例が紹介され、参加者が自身の生活における“自分らしさ”を考えるヒントとなる内容が数多く示されました。

閉会の辞:近畿大学アンチエイジングセンター副センター長 角谷 晃司
アンチエイジング弁当試食会

アンチエイジングセンターでは、食生活に直結する食事(近大アンチエイジング弁当)の開発を通して、健康寿命の延伸に悪影響をおよぼす疾病の発症を予防し、疾病の進行を阻止することを目的とした研究をすすめています。薬学総合研究所と農学部が取り組むプロジェクトにおいて、農学部食品栄養学科の学生がオリジナルメニューを考案し近大アンチエイジング弁当(ひじきの炊き込みご飯)」を、株式会社からここカンパニー(大阪府八尾市)が製造しました。また、パッケージデザインは文芸学部芸術学科の学生が手掛けました。

近畿大学
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